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序章
エルシェシアが死んだのは、春の終わりのことであった。
王立魔法機関の者たちはそれぞれに、彼の死を知った。ある者は朝に聞いた。ある者は昼に聞いた。ある者はずっと後になって、旅の途中で耳にした。ある者は——知らせを受ける前から、知っていた。
彼が何者だったのか、誰も正確には知らない。
穏やかな人だったという。寡黙な人だったという。よく笑う人だったという。しっかりした人だったという。子供っぽい人だったという。大人な人だったという。
同じ人間を、これほど違う言葉で語るものか。
ただ一つだけ、確かなことがある。
彼は手紙を遺した。
机の引き出しの奥に、折り畳まれた一枚の紙が。宛名はなかった。ただ冒頭に、こう書かれていた。
「親愛なる友へ」
これは、五人の彼についての話である。
五人は皆、真実を語っている。
だから——誰も、真実を語っていない




