世界の始まり〜ヴァルハのいたずら
これはずっとずっと昔の物語
そこにはただ一人の巨人が居ました。
巨人は何も知りませんでした。孤独も、仲間も、退屈も、楽しいことも、痛いことも、何もかもです。
巨人は心の中に揺らめくものを感じ取りました。それによって巨人はその揺らめくものを触ってみたくなりました。そしてついに巨人はその揺らめくものを生み出しました。
巨人が生み出した物こそ始まりの火種でした。
しかし、その火種はとても凶暴でした。
生まれてすぐに暴れ出して自身を生み出した巨人を傷つけてしてしまいました。
そしてそのままその火種は成長していきました。
傷ついた巨人は自身を無数に分けました。
痛い、苦しい、眩しい、楽しみ、不思議。
そして自身を分けてる途中にも多くの物が生み出されました。
孤独、仲間、退屈など沢山のことが生まれました。
そして、それらはくっついたり離れたり増えたりを繰り返した結果、無数のハルルイが生まれました。
一方成長した火種の中にはイルヴァと呼ばれる世界が生まれました。イルヴァとは外側の世界の言葉で物質という意味です。そのイルヴァには物が溢れていました。
イルヴァにはいつしか星々が生まれました。
そしてその星々の中でも外側の世界と繋がる門(正確には不思議な穴)がある星には生き物が発生しました。
その門を通して外側の世界の住民であるハルルイ達が色々なことをしました。
その星々の中に後に人間という生き物によって地球と呼ばれる星がありました。その星の人々は外側の世界の住民であるハルルイ達が人々にとって良いことをするハルルイ達を神様、悪い事をするハルルイ達を悪魔、怨霊と区別しました。
そうして、その星の人々は神様を崇め悪魔、怨霊を嫌悪しながら進化をしてきました。
しかし、いたずら好きのハルルイが門を通って地球にやって来ました。
そのハルルイの名前は後世でヴァルハと呼ばれる様になりました。
ヴァルハは猿の様な見た目です。
ヴァルハは生き物に近づいてはいたずらをしていました。
ヴァルハは何かに注目されるのが楽しくてたまりませんでした。しかし、それを嫌った生き物達によってヴァルハは嫌われてしまいました。
しかし、一部の人間には崇められていました。なぜならば、その人間達はヴァルハのいたずらを手伝う代わりにヴァルハに摩訶不思議な技や道具の作り方を教えてもらっていたからです。
例えば、とても強い光を出す光球を出す技や、とても臭いにおい放つ爆弾、おならを1時間止まらなくなる薬などです。
それから少しして、この技や技術を応用する事によって、その人々は生き物を傷つける事が出来る技を編み出しました。
それを知ったヴァルハはとても悲しみました。ヴァルハはただ生き物を傷つける為ではなく、いたずらをしたかっただけなのです。
なのでヴァルハはその人々を止めるべく動き出しました。
まず、その人々はヴァルハを神様として教団を作っていました。
ヴァルハは自分で作り上げたいたずら道具をたんまりと持ってその教団の本拠地に行きました。
教団には沢山の人がいました。
ヴァルハは自身の信者の前に堂々と姿を現しました。信者達はヴァルハの姿を見ると我先に我先にとヴァルハの足元へと縋りついて来ました。
ヴァルハはとても嬉しくなりました。これまでこの様に生き物達に好かれるのは初めてでした。
しかし、ヴァルハの決心は揺らぎませんでした。これ以上自身が伝えた技がいたずら以外に使われるのを良しとしなかったからです。
ヴァルハはいたずら道具の激臭爆弾を投げて人々を追い払いました。自身が皆に見向きされなくなるのを覚悟して。そして、初めてヴァルハの技を伝えた人々を捕らえて連れ去りました。
そしてヴァルハはとても恐ろしい姿へと変身をして彼らに言いました。
これ以上、私の技をいたずら以外に使う事をするな。もしもいたずら以外に使う事があれば、お前たちを食ってやる。
彼らは恐れ慄き逃げて行きました。
その姿にヴァルハは孤独を感じました。しかし、それを満たす程の心地よさがヴァルハの心を満たしました。いたずらでは得られないような心地よさが。
そしてヴァルハは満足して門から元いた場所へと帰って行きました。
しかし、結局彼の技は悪用されて、その後の世界に伝わリました摩訶不思議な技、魔術として。
これから私的自由な珍道中に繋がります。




