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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第十一部 空の世界で投資物件編

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第2章 「空中橋崩壊 ― 魔導石劣化と無計画開発の代償」

浮遊島を結ぶ魔導橋


空中の重要道路網が、微妙に傾き、今にも崩れ落ちそうになっていた。

下層島群の住民は混乱し、商業区や住宅区へのアクセスが途絶える危険が迫る。


タクミは魔力計測器を握りしめる。

「まずい……橋を支える魔導石の劣化が進行してる。しかも、住民が無計画に増築して、荷重のバランスまで狂わせている」


ミラが資料を確認しながら指摘する。

「この橋、両端から延ばしてアーチ状に組む設計です。アーチの曲線で重量を分散する仕組みなのに、追加建造物のせいで支点に余計な負荷がかかってます」


「つまり、橋の耐用年数は見た目以上に短く、放置すれば空中区画の不動産価値が急落します」


カーミラは橋の傾いた中央に立ち、片手で柱を支える。

「……保持」


アテネは補助魔法で浮遊石の安定化を開始。

魔力の光がアーチに沿って流れ、わずかに揺れが収まる。


タクミは住民避難の指揮を取りつつ考える。

「無計画開発は便利に見えるけど、こうなると投資物件としてのリスクが跳ね上がる。保険料も高くなるし、商業賃料の下落も避けられない」


ヴァンは空中から魔力矢を放つ。

「幻想を抱く者どもよ……無計画の代償を知れ!」

橋の周囲に出現した浮遊敵を一掃しつつ、塔の修復作業を助ける。


カーミラは魔力結界の補強材を運搬、ミラ結界を強化し、避難する住民に光の結界を展開。

塔と橋の修復、住民の安全確保、戦闘。すべてを同時にこなすパーティの動きは、まさに不動産管理のフルオペレーションだ。


タクミは橋を見上げて呟く。

「今回の危機で痛感したのは、不動産価値は構造と管理に直結しているということだ。外観が綺麗でも、基礎や負荷管理が不十分なら一瞬で資産はゼロになる」


アテネは浮遊石を安定させながら補足する。

「浮遊橋は両端からアーチを作ることで、重さを自然に分散する構造です。魔力の波動でも、この原理は変わりません」


カーミラは淡々とつぶやく。

「……管理、必須」


ヴァンは空を旋回しながら笑う。

「フフ…投資も戦も、結局は基盤を固めるところから始まるのだな。無計画ほど危険なものはない」


こうして、浮遊橋は再び安定。


空中住宅区の不動産価値は一時的に守られたが、無計画開発の影響はまだ至る所に残っている。

タクミたちの戦い、そして都市の投資管理は、まだまだ始まったばかりだ。


ワンポイント解説


■橋の建築について

アーチ構造の橋

古典的構造だが、現代でも耐荷重の高い橋に採用。

両端を支点としてアーチを作ることで、橋全体にかかる荷重を自然に分散。

浮遊島の魔導橋のように「重力+魔力」を分散させることが重要。


ケーブル支持橋(吊橋・斜張橋)

長大スパンの橋で主流。中央の支柱からケーブルで橋を吊ることで、長距離でも安定。

現実の都市開発では、高速道路や大河川に用いられる。

空中都市や浮遊橋の場合、魔導石の劣化や負荷変動に対応するケーブルの魔力補強が必要。


免震・制震技術の応用

地震や揺れに対して橋全体を柔軟に動かす「免震」や、振動を吸収する「制震」構造を採用。

空中橋では、浮遊石や魔力結界がこの役割を果たすイメージ。


素材の耐久性

鋼鉄・コンクリート・複合材料など、長寿命かつ耐腐食性の高い素材が使用される。

魔導橋では、魔力石や魔素強化材の劣化が寿命に直結する。


定期点検と管理

最新の橋でも定期点検は必須。負荷、振動、腐食などを監視し、必要に応じて補修。

不動産投資で考える場合、橋や道路などインフラ管理の不備は資産価値の低下に直結する。


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