第6章 「火と氷の魔女 ― 傾く塔と耐震魔法陣」
塔の上部
炎と氷の魔力が暴走し、空気は裂け、床石は砕け、塔全体が左右に大きく揺れ続けていた。
魔女姉妹が本気を出すと、塔の魔力構造そのものが悲鳴を上げる。
タクミ
「火と氷……二つの魔力が干渉している!均衡を取らないと塔が傾いたまま崩壊する!」
塔の中央で光る二つの核。そこに立ちはだかるは、火と氷の魔女姉妹。
火の魔女リリシア:赤いローブ、炎を自在に操る
氷の魔女セレナ:青白い衣装、凍てつく魔力を振るう
姉妹が争うたび、塔は悲鳴のように軋む。魔力の波動が床を裂き、浮遊石がぐらつく。
分担作戦
勇者アレックス率いる勇者パーティーは火の魔女リリシア担当。
タクミ率いる投資・建築パーティーは氷の魔女セレナを担当する。
火の魔女リリシアの必殺技
■《焔滅天衝》
リリシアが両手を掲げ、巨大な紅蓮の渦を召喚。
その炎は“塔の魔力石”を燃料にして暴走し、空に向けて巨大な火柱が炸裂する!
リリシア
「燃え尽きなさい……この塔ごと!!」
アレックス
「おいおいおい、塔燃えるだろ!!」
ブレイン
「いくぞアレックス!“獅子火断砕”!!」
灼熱の剣撃が炎の渦を裂くが――裂けた炎は逆流し、床をマグマ化させる。
エリオ
「リリィ!床が溶ける前に結界を!」
リリィ
「《神聖防壁》!!」
光の結界が張られ、勇者パーティーは辛うじて焼死を免れる。
氷の魔女セレナの必殺技
■《零界氷葬陣》
セレナが塔の魔力核に指先を触れると、
塔内部全体が瞬時に“絶対零度”へ向かい凍結。
氷の柱が次々と生え、天井から巨大な氷剣が雨のように降り注ぐ!
セレナ
「静かに……凍りついて消えなさい」
タクミ
「これ塔が砕けて落ちるレベルだぞーー!!」
ヴァン
「影よ、凍てつく世界を喰らえ。《黒刻影牙》!」
黒い影が氷剣を次々と飲み込むが、セレナの氷は再生が早い。
ミラ
「タクミ様!氷の魔力が塔の浮遊石に侵食中!
このままでは“塔の浮遊核”が凍結して墜落します!」
カーミラ
「……砕く」
一言とともに氷柱を一撃で粉砕し、道を作る。
タクミ
「耐震魔法陣まで通すぞ!」
リリシア&セレナ
「ならば――“双極魔法”!!」
◆リリシア:炎の竜巻《焔災竜旋》
◆セレナ:氷の龍槍《極寒氷牙槍》
炎の竜巻と氷の龍槍が螺旋を描きながら融合し、
塔全体をへし折るほどの“破壊の渦”となって襲いかかる。
塔の傾斜が一気に 15度 を超え、崩落警報が鳴り響く。
アレックス
「タクミ! お前らは氷側を押さえろ!こっちは炎を切る!」
タクミ
「了解!!ミラ、魔力重心を中心に戻すぞ!」
ミラ
「耐震魔法陣、最大出力!」
塔の中心に光の陣が展開し、重心が強制的に修正される。
ヴァン
「影よ……我に応えろ。《影滅連牙》!」
ブレイン
「こっちもラストだ!《獅子爆烈斬》!!」
リリィ
「みんなの体力を回復します!」
カーミラ
「……終焉」
エリオ
「魔力流、安定します!!」
二つの必殺技が拮抗した瞬間――
タクミの耐震魔法陣が塔全体の魔力を中和し、
炎と氷の渦が音もなく霧散した。
リリシア
「ふぅ……やるわね」
セレナ
「あなたたち……侮れないわ」
塔は傾きを戻し、魔力の鼓動を取り戻す。
アレックス
「よし……塔の倒壊は防いだ!」
タクミ
「耐震補強完了……これで塔はしばらく安定する。」
塔は再び空中に浮かび、浮遊石が輝きを増す。
火と氷の魔女も戦闘の末、互いの力を理解し、静かに去っていった。




