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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第十部 古代魔導塔編

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第1章 「傾いた塔の“診断”」

古代魔導文明の象徴

天へと伸びるはずの《古代魔導塔》。


だが、その姿は無残だった。

塔は明らかに斜め10度傾き、魔力漏れが紫の霧となって漏れ出している。


塔そのものが「助けて」と呻いているようだった。



挿絵(By みてみん)


塔の前で


勇者アレックス

「これ絶対折れるって! 10度って! 家なら住めない角度だぞ!」


僧侶リリィ

「塔って普通、空の神に“まっすぐ”祈るための建物なんですけど……」


魔法使いエリオ

「魔力循環がズタズタだね。血管切れまくりの身体みたいだ」


戦士ブレイン

「なぁアレックス、塔が倒れたら……俺たち全員ミンチだよな!?」


ヴァン(闇の吸血剣士)、静かに登場

「……塔の悲鳴が聞こえる。

 千年の孤独に苛まれ、絶望の中で軋む魂が……。」


アレックス

「そんな悲鳴聞こえなくていいからッ!」


リリィ

「ヴァンさん、塔は魂じゃなくて“石と魔力”でできてます……」


ヴァン

「否。万物には心がある。

 たとえ石でも、魔力でも……

 この歪みに宿る“滅びの波動”は――確かに脈動している。」


エリオ

「……言ってることの8割、僕にもわからない。」


ブレイン

「脈動してるなら治るのか!? どうなんだよヴァン!?」


ヴァン

「……治る。だが――代償として、誰かの血が必要だ。」


リリィ

「血を要求しないでくださいッ!!」


ミラの“魔導査定”

「傾斜10度。

 基礎魔力石の劣化、内部梁の魔素腐食、浮遊核の死亡寸前。

 総合評価――価値ゼロ。倒壊リスクAです」


アレックス

「ゼロ!? 価値ゼロ!?」


エリオ

「価値ゼロで空に浮いてるって逆に奇跡」


ヴァン

「……価値ゼロの中にこそ、真の価値が眠る。

 廃墟は闇に愛されるのだ。」


ブレイン

「いやもう、黙ってろ地味に縁起悪い!」


カーミラ

「……倒れる。」


ブレイン

「うぎゃあああ言わないでぇぇぇ!?」


タクミ

「まず“浮遊基礎”の修理だ。

 魔力の流れが偏ってるせいで傾いてる。

 それと耐震補強、これは絶対に必要だ」


アレックス

「浮いてる建物に耐震補強!?」


タクミ

「傾き続けると回転しながら墜落するからな」


ブレイン

「いやだああああああ! 回りたくねぇ!!」


リリィ

「塔が回る……私、酔います……」


エリオ

「酔うとかそういう問題じゃないから!」


ヴァン

「……回転しながら散る運命。

 美しくも儚い……それが塔の終焉か。」


アレックス

「終焉に酔ってんじゃねぇよ!」


カーミラ

「……回る。」


ブレイン

「やめてくれぇぇぇぇ!!」


内部潜入メンバーの選定

ミラ

「基礎魔力石までのルート解析終了。

 魔素腐食領域は《危険度レベル5》――

 魔力を吸われれば即座に戦闘不能になります」


アレックス

「つまり俺が行くしかないやつか……!」


エリオ

「僕も。魔素腐食は専門だし」


リリィ

「私は回復を担当します!」


ブレイン

「じゃあ俺は……荷物持ちとか石持ちとか……重いの全部やる!」


ヴァン

「闇の道は我が領域。

 腐食領域など、夜風のようなもの……同行しよう。」


アレックス

「お前、夜風って言ってるけど絶対危険だぞ!?」


カーミラ

「……殴る。」


ブレイン

「いや何を!? 何を殴る気だよ!?」


タクミ

「古代魔導塔……

 これを直せたら、天空都市へのルートが開く。

 修繕する価値はある」


アレックス

「よし! 行くぞみんな!」


エリオ

「急がないと魔力漏れがさらに悪化する」


リリィ

「塔さん……どうか耐えてください……!」


ヴァン

「千年の呪いよ。我らが解き放つ。」


ブレイン

「お前の台詞が一番怖いんだよ!!」


カーミラ

「……行く。」


ミラ

「タクミ様、準備万全です」


タクミ

「よし、開始だ――

 《古代魔導塔・大規模修繕》を始める!」


塔は「ギギィィ……」と悲鳴をあげ、

まるで“直してみろ、人間”と挑んでくるようだった。


ワンポイント解説


■旧耐震基準(〜1981年5月31日)

日本の建築基準法で定められていた 1981年以前の耐震基準。

当時の想定は現在よりも弱い地震で、


●旧耐震の特徴

震度5程度の地震に耐えられることが目安

建物の揺れの想定が小さい

「倒壊を防ぐ」まで踏み込んでいない

壁量(耐力壁)が少なくてもOKだった

柱・梁のバランス構造が甘い場合が多い


つまり、

“大地震を想定していない建物が多い”

というのが最大のポイント。


●旧耐震のリスク

大きな地震で倒壊の可能性が高い

築40年以上の物件はほぼ旧耐震

借り手や買い手がつきづらい

銀行融資が通りにくく、資産価値が低い


■新耐震基準(1981年6月1日〜現在)

1981年に大改正された、現在も基本となる 強化された耐震基準。


●新耐震の特徴

震度6強〜7の大地震でも“倒壊しない”ことが目標

壁量を増やし、建物のバランスを重視

地盤や基礎のチェックが強化

柱梁の強度計算が厳格化

“生命を守る建物”を理念にした安全性重視の基準


つまり

“人の命を守るレベルで建物が強くなった” のが新耐震。


●新耐震のメリット

震災時の死亡リスクが大幅に減少

資産価値が高い

銀行融資を受けやすい

管理・修繕計画を立てやすい

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