第９章 「工場跡地にある土壌汚染エリア」
魔のアトランティスの更地に見えるが、地面に黒ずみが広がっている。
草も生えず、空気まで重い。
タクミ
「黒い土の匂いがオイルだよ。これ、有害物質出てるよ！完全に汚染土地！」
勇者アレックス
「な、何見せてんのアテネさん！？」
ヴァン
「フッ……穢れし大地よ。浄化には莫大な魔力を要する……！」
カーミラ
「……手間。」
戦士ブレイン
「げっ、ここでBBQしたら爆発しそうだな！」
僧侶リリィ
「冗談はさておき、ここに家を建てるのは危険です……」
魔法使いエリオ
「ボクも……植物すら育たなさそう」
そこへ敏腕秘書ミラが歩み寄る。
「タクミさん、私が査定します。まず現状の分析です」
土壌汚染のレベル
工場廃棄物や重金属の残留。
改良・浄化に莫大なコスト。
投資価値
建築不可または高額浄化が必須。
ハイリスク・ローリターン。
法的規制
土壌汚染対策法による報告義務・補償義務。
無断で売買すると罰則の可能性。
総合評価
商業・住宅用には向かない。
見学は良いが、購入は非推奨。
タクミ
「なるほど……ここは投資対象外か」
ヴァン
「フッ……選ばれし者の前に立ちはだかる試練よ……！」
戦士ブレイン
「じゃあここで勇者カレー作ったら……いや、やっぱ無理だな！」
リリィ
「ブレイン……本当に危ないことばかり言うのね」
エリオ
「ボクも、冒険以外で接触しない方が無難だと思う」
アレックス
「このパーティ、なんでこう毎回危険な土地ばっかり見るんだよ！」
カーミラ
「……行く」
アテネが静かに告げる。
「問題物件は、あくまで“人の欲”を知るための試練です。
勇者たちよ、ここで学んだことを次に活かしなさい」
タクミ
「欲が多すぎるんだよ魔のアトランティスの物件群は！」
アレックス
「ていうか普通の物件、一つもなかったよね!?」
ヴァン
「フッ……選ばれし者は、苦難の道を歩む運命……」
ブレイン
「次こそ、まともな土地でキャンプさせてくれー！」
リリィ
「無理だと思う……」
エリオ
「ボクも同意です」
ミラ
「評価としては、ここは避けるべき土地です。
次の場所に進みましょう」
そして、ついに視界の先に
古代の魔導技術で作られた《浮遊島》へ至る塔が姿を現す。
その頂点は、魔のアトランティスの空に向かって高くそびえ立っていた。
✨第九部 魔のアトランティス編 完✨
