第4章 「第一試合 カーミラ VS デストロイヤアー」
グランド・バトルフェスティバル 公式ルール
1. 試合形式
トーナメント方式で個人戦のみで行われ、勝者は決勝へ進出。
試合時間は10分間を標準とし、制限時間内に相手をKOするか降参するか、判定により勝敗を決定する。
2. 禁止事項
武器の使用は禁止
剣、斧、ナイフ、弓矢など、手以外の武器を持ち込む行為は反則負けとなる。
※格闘技・魔術・忍術は使用可だが、器具・武器の変形物は禁止。
魔力の過剰使用による環境破壊
闘技場や観客席に損害を与える可能性のある魔法・忍術は禁止される場合がある。
審判への攻撃
試合中の審判・スタッフへの攻撃は即失格。
3. 許可される行為
徒手格闘・骨法術・打撃・蹴り技などの肉体技
打撃力、スピード、柔軟性、戦術の全てが勝利の鍵。
忍術・魔術
ただし、環境破壊や武器使用に該当しない範囲に限る。
分身術、煙遁、火遁などは許可されるが、観客・施設に危害を与える場合は制限される。
4. 勝敗の判定
KO勝利:相手が戦闘不能となった場合。
反則負け:武器使用や禁止行為を行った場合。
判定勝利:制限時間終了時に、審判団の評価によって勝者を決定。
評価基準は技術力・戦術・攻撃・防御・闘気の総合点。
5. 特記事項
選手は怪我のリスクを自覚し、自己責任で戦うこと。
戦士の個性や異能は尊重されるが、危険行為は反則として厳しく取り締まる。
大会運営側は必要に応じて試合中止権を行使できる。
闘技場中央、砂の円の中で、第一試合が始まろうとしていた。
観客席からは、興奮の声が渦のように押し寄せる。
「さあ、始まるぞ!!」
「第一試合はカーミラだ!!」
カーミラは鋼の手甲をきしらせ、深呼吸ひとつ。
その瞳は冷たく、全く動揺を見せない。
一方、対戦相手のデストロイヤアーは巨大な体を揺らしながら、両腕を広げて観客に向かって挑発した。
「よぉ!女戦士!その細腕で俺に勝てると思ってんのかぁ!?ハッハッハ!!」
観客席からは悲鳴にも似た歓声が上がる。
「おおおーー!かかれーー!!」
「力でねじ伏せろーーー!!」
デストロイヤアーの挑発に、カーミラは眉ひとつ動かさない。
砂を踏みしめ、低く構えるその姿はまるで氷柱のように揺るがない。
「....」
ゴングが鳴った瞬間。
「おいおいおいおい! 女王サマが相手かよ? 泣いても遅ぇぞォッ!」
デストロイヤアーが雄叫びを上げ、腕をぶん回しながら突進してきた。
筋肉の塊が地響きのように迫り、闘技場の観客がどよめく。
カーミラは……微動だにしない。
「....」
鋼の手甲にわずかに指を添え、
青い瞳だけが獲物を捉える猛禽のように細められる。
「口だけの男は嫌いよ。」
次の瞬間、
デストロイヤアーの拳が、空気を裂いてカーミラの頭部めがけて落ちた。
ズドンッ!
観客席から悲鳴が上がる――が、拳は空を切った。
「な……っ!」
カーミラの姿はすでに真横。
肘で、男の脇腹を一点、鋭く
ガンッ!
まるで鋼鉄を打ち抜く音が響く。
デストロイヤアーの表情が一瞬で歪む。
息が漏れ、膝がわずかに沈んだ。
「まだよ。」
低く呟いた瞬間、カーミラが連撃を放つ。
バシッ! ドゴッ! ガンッ! バキィッ!
観客が目で追えないほどの速度。
拳が、肘が、膝が、容赦なくデストロイヤアーの急所を正確に叩き続ける。
「うぐっ……が、があああぁぁあっ!」
額から汗と涎が飛び散る。
カーミラの打撃は一発ごとに身体を内部から破壊していくかのようだった。
デストロイヤアーがよろめく。
「ま、待て! ちょ、ちょっと待っ――」
カーミラは聞いていない。
高く跳ぶ。
天井近くまで届きそうな跳躍。
鋼の手甲に力を集め
「終わりよ。」
ドォォォォン!!!
鉄槌のような拳がデストロイヤアーの顔面を直撃した。
巨体が持ち上がり、
そのまま地面へ叩きつけられ地面がひび割れる。
静寂。
遺跡のコロッセオが、一瞬、時を止めたように静まった。
そして次の瞬間、観客が爆発した。
「うおおおおおおおおお!!!」
「なんだあの強さッ!」
「圧倒的すぎる!!」
デストロイヤアーはピクリとも動かない。
完全に気絶。
いや、しばらく立ち上がれないだろう。
カーミラは埃を払うように手甲を軽く叩き、
無駄な感情もなく言い放つ。
「一人目。
男に勝って当然。」
その姿は、まさに鋼鉄の女王だった。
【第一試合 カーミラ vs デストロイヤアー 】
必殺技:鋼鉄の旋風連撃
試合時間:2分43秒
勝敗:カーミラの圧勝(デストロイヤアー気絶)




