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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第七部 天空都市へ遺跡編

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第7章 「遺跡の街の再生と闘技場の参加者たち」

「観光遺跡都市計画」あれから1年経過 タクミは29歳になった。


長いようで短い準備期間が過ぎた。

タクミの手がけた「観光遺跡都市計画」は、驚くべき速さで形になっていった。


崩れかけていた石造りの街並みは、職人たちの手で甦り、

広場には行商人の屋台が並び、

香ばしい焼き串と蜜菓子の匂いが風に乗って漂う。

旅人たちは宿を探し、吟遊詩人は即興で歌を紡ぐ。


そして、街の中央。

遺跡の門の前に、円形の闘技場が堂々と完成した。


挿絵(By みてみん)


石と鉄で組み上げられたその構造物は、古代ローマを思わせる荘厳さと、

冒険者たちの情熱が渦巻く新たな“祭りの中心”だった。


大会の名は「第一回 グランド・バトルフェスティバル」。

優勝賞品は「特注ミスリル装備」と「タクミの運営する宿・一年無料パス」。

チラシにはタクミ自らの直筆で、こう書かれていた。


『勇者アレックス様のご参加を心よりお待ちしております。』


大会エントリーが始まると、各地から名の知れた強者たちが続々と現れた。


注目選手たち


世界武道大会の覇者、女武道家カーミラ。

 金色の髪を三つ編みにし、鋼の拳を包む手甲には「不退転」の刻印。

 「男に負けたら即引退」と公言する豪胆な戦士。


闇の魔剣士、ヴァン・ノクト。

 漆黒のマントに隠された片目の傷。

 戦場で“死神の右腕”と呼ばれた元傭兵。

 その剣には怨嗟の魂が宿るという。


格闘魔術士、ルシフェル=クロウ。

 常に微笑を浮かべる青年。

 噂では王都の禁書庫から魔導書を盗み出し、国家追放となった男。

 彼の言葉ひとつで、空が曇る。


元暗殺組織の影、シュウバ。

 顔の半分を仮面で覆い、無言のまま登録を済ませた。

 身のこなしは影のように静かで、彼が通った後には、風の音すら止む。


タクミは、彼らの参加表を見て顔を曇らせた。


「……これは、ちょっと派手すぎるな。」

 

トビーが跳ねた。

「派手どころか、血の匂いしかしないぞ! 本当に勇者呼ぶ気か?」

 

ライラが資料をめくりながら眉をひそめる。

「タクミ、あんた……利用されてるかもしれない。」


「利用?」


「大会の裏で、妙な金の流れがある。

 スポンサーの一部が“名前を偽って”出資してる。

 それも……帝国軍関係者の名前が。」


タクミの胸に冷たいものが走る。


(まさか、勇者を呼ぶこの計画が――“勇者をおびき寄せる罠”に?)


その夜、ライラは闘技場の屋上に立ち、星空を見上げながらつぶやいた。


「まるで勇者を狙う“殺人祭”のようね……。」


風が吹き抜ける遺跡の街。

観客たちは知らない

この華やかな闘技大会の裏で、“天空よりの使者”が降り立とうとしていることを。


そして、運命の糸は、静かに、確かに勇者アレックスをこの地へと導いていた。

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