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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第七部 天空都市へ遺跡編

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第5章 「天空よりの使者」

古代遺跡都市の広場の上空に、突然、眩い光が舞い降りる。


タクミは眉をひそめ、空を見上げる。

「……あれは誰だ?」


ライラは剣を構え、鋭い目で光の降下点を見定める。

微かに魔力の波動を感じ、身体に緊張が走る。


トビーは杖を掲げ、空中の魔力を探知する。

「通常の魔力とは違う……高度な結界や古代魔法に通じる存在だ」


光が地面に降り立つと、長衣を風になびかせた人物が静かに立っていた。

優雅な立ち振る舞いと落ち着いた佇まい


天空の使者、アテネだった。


タクミは前回、古代遺跡で手に入れた石板を思い浮かべる。

「石板解読と、村の修繕を並行して進めているところだ……アテネ、君の目的は?」


アテネは微笑み、静かに手を石板にかざす。

風に揺れる長衣の端が光を反射し、石板の古代文字が淡く輝く。

魔力の波動が周囲に広がり、空間の結界が微かに震える。


アテネの眼差しは鋭く、しかし穏やかだ。

「この石板の古代文字を解読するには、天空都市からの知識が不可欠です。石板と私が揃うことで、魔導塔が起動します。」


タクミは石板をじっと見つめ、指で触れずに周囲の安全を確認する。

「なるほど……石板のの解除には君が必要ということか」


アテネはさらに手を石板に近づけ、微かな声で告げる。

「魔導塔は、火と氷の魔女によって守られています。塔を攻略するには、力で打破しなければなりません」


タクミの目が鋭く光る。

「魔導塔が天空都市レテンシアへ繋がる道か」


「火と氷……あの谷の魔獣と関係があるのか……」

ライラは剣の柄を握りしめ、覚悟を固める。

「戦いは避けられない……でも、守るべきもののためなら」


アテネは視線を遠くに向け、静かに告げる。

「そして、勇者アレックスを探すこと。これがあなたの次の使命です」


タクミは石板を手に、アテネの言葉を反芻する。

「石板の解除、魔女の塔、そして勇者……やるべきことが増えたな」


トビーは杖を握り直し、空に向かって魔力の感覚を研ぎ澄ます。

ミラは仲間たちの防御魔法を整え、緊張の空気を和らげるように息を整える。


広場に立つタクミたちの背後には、修繕を終えつつある村と光輝く古代遺跡が広がる。

遠くの空には、まだ微かにアテネの光が揺らぎ、次なる冒険の予兆を告げていた。



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