第7章 「 地底再建 ― 共生の地底都市計画」
住民投票結果は、地底開発推進のグラモグ長老の賛成派の大逆転勝利となった。
「うわあああああ!グラモグ長老 バンザーイ!」
歓声が地底全域を包み込み、洞窟の天井が震えるほどだった。
モグラ族たちが喜びの歌を口にし、青い地霊火がまるで夜空の星のように輝きを放つ。
その中心で、タクミは拳を握りしめ、静かに誓った。
「これが……地底の意志だ。必ず成功させる」
グラモグが深くうなずき、長老たちも杖を掲げる。
「地底は、もはや閉ざされた世界ではない。掘り抜いた先にこそ、新しい命が宿るのだ」
その言葉に応えるように、地底の壁面を照らす光が強くなる。
ミラが契約の魔印を掲げ、誇らしげに宣言した。
「では、正式に“地底都市再生プロジェクト”を発令いたしますわ!」
拍手と歓声が爆発した。
トビーが制御装置を起動させると、地熱の脈動がゆっくりと都市へ流れ込んでいく。
地底の温泉が再び湧き出し、発光藻が街路灯のように光を放った。
「地底湖の発光は、生命の鼓動そのものですわ」
ミラが目を細めて微笑む。
ライラが子供たちを連れて駆けてきた。
「見て、タクミ! みんなが地底文字を習ってる!」
モグラ族の子供たちは、新しい道具で文字を刻み、光る板に未来の地図を描いていた。
観光客たちも訪れはじめた。
地底湖のほとりで、光の反射を背に歌をうたう吟遊詩人の声が響く。
若いモグラ族たちはミスリル採掘場へと出勤する。
地底に集まった鍛冶屋たちは地熱の力でミスリルを溶かし、工房には新しい職人たちが集まっていた。
「掘ることが罪ではない。掘ることで、命が続く」
グラモグの言葉が再び地底にこだまする。
地底湖の周囲には小さな市場が立ち並び、モグラ族の商人たちが採れたての鉱石や地熱野菜を並べる。
「今日はいい日になりそうだな!」
と、笑顔のモグラ族が声を上げる。
子供たちは光る石を拾い、光の模様を作って遊ぶ。
トビーは魔法の光で観光客を案内し、湖の見どころや地熱の仕組みを説明する。
ミラは契約の魔印を背景に、地霊の安定を確認しながら未来の拡張計画を練っていた。
高台に立つタクミの目には、開発前の荒れた地底とは比べものにならないほど、生命と希望に満ちた景色が広がっていた。
「ここまで来た……でも、まだ始まりにすぎない……」
そして、夜になると青い地霊火が灯り、地底湖は星空のように輝く。街路や建物の輪郭を縁取り、幻想的な光景が都市全体を包み込む。
モグラ族も観光客も、その光景に息を呑み、互いに笑顔を交わした。
タクミの胸には、深い確信が芽生える。
タクミは高台に立ち、地底の風を感じながら小さくつぶやいた。
「これが、俺たちが掘り起こした未来だ、自然と共生しながら、命をつなぐ地底都市の形だ」
地霊の火影がその言葉に呼応するように揺れ、
地底の空に、まるで新しい太陽のような光が生まれた。
✨第五部 地底都市再生プロジェクト編 完✨




