第11章 「タクミ史上最大の勝利―そして次の地獄へ」
負債都市は完全復活した。
倒れていたタワマンは個性派ホテルとして再生し、
未完成のモールは“冒険商店街”へと進化し、
かつて路上生活者であふれていた中心部には
光と音楽と人々の笑い声が満ちていた。
屋台が並び、冒険者が観光客と写真を撮り、
リーナの作ったお菓子は長蛇の列。
リーナ
「まち……よみがえッタ! タクミ、すごイ!」
ミラ
「タクミ様……本当に、ここまで……」
タクミは胸の奥が熱くなるのを感じた。
タクミ
「……やっと、街が息をしたんだ」
カーミラ
「悪くない」
ヴァン
「光と闇……この都市は再び均衡を取り戻した……!」
バイオオセン
「負債……全部キレイ……溶かしちゃいたい、おいし……ヌチャ♡」
タクミ
「お前のコメントだけ毎回ホラーなんだよ!!」
そこへ
魔界の空を裂くように黒い雲が集まり、
王城から巨大な魔力が降りてくる。
現れたのは魔界の頂点に立つ魔王。
魔王ラスボッスデス
「タクミよ……ここまでやるとは、見事だ。あっぱれ、である」
タクミ
「ま、魔王様!?
あの、褒められるのは嬉しいんですが……」
魔王は重々しく頷く。
魔王ラスボッスデス
「そなたほど荒廃した負債都市を蘇らせた者は
魔界の歴史でも初めてだ。 誇るがよい」
タクミ
(やっと……地獄の仕事が終わった……!
これでしばらく休める……!!)
そう思ったのもつかの間。
背後から、聞き慣れた声。
アラジン王族
「タクミ! 次の投資先が決まったぞ!」
タクミ
「また来たぁぁぁぁぁぁ!!!
絶対ロクでもないやつだろ!!?」
アラジンはにっこりと微笑む。
アラジン
「“魔界国境の砂漠に佇む……
呪われたピラミッド国家”だ」
タクミ
「ピラミッド国家!? なにそれ絶対最悪のワードしかない!!」
ミラ
「……タクミ様、砂漠は再開発がもっとも困難な地域です……」
リーナ
「のろイ……やばイ……タクミ死ぬ?」
タクミ
「やめて! 不吉すぎるから!!」
ヴァン
「砂漠……千年の呪い……闇の声が聞こえる……」
カーミラ
「また地獄」
バイオオセン
「砂漠の負債……香ばしい……ヌチャ♡」
タクミ
「だからお前は黙れぇぇぇぇ!!」
こうして◆
タクミの伝説は、またひとつ終わり……
そして、より深く、より最悪な地獄に続く。
次の舞台は
魔界最大の禁断地帯。
『呪われたピラミッド国家・リバースサンド編』
タクミ史上“最大級の地獄”が今、幕を開ける。
タクミ
「いやぁぁぁぁぁ!!!!!」
✨第二十三部 魔界バブル跡地・無限ローン地帯再生編 完✨




