第2章 「無限ローン地帯の真相―絶望の再開発計画」
荒れ果てたバブル都市の中心に立つタクミたち。
吹き抜ける風が、建設途中の鉄骨を鳴らし、ギシギシと不気味に軋む。
リーナがタクミの肩に乗り、怯えた声で言う。
リーナ
「ココ……ヒト、イッパイ……デモ、ミンナ……オウチ、ナイ……ツライ……」
その下では、数百人の住民が段ボールと布だけで生活していた。
雨風は防げず、魔物が夜になると忍び込み、何人も行方不明になるという。
ミラが倒壊したマンション群をタブレットでスキャンしながら説明した。
ミラ
「タクミ様……この都市、すべて未完成のまま放棄されております。
ですが、住宅ローン契約だけは……有効のままです」
タクミ
「え……ちょっと待って。
入居もできなくて、部屋もないのに、住宅ローンだけ払ってるの!?」
ミラ
「はい……魔界銀行とデベロッパーが結んだ“永続保証債”のせいです」
タクミ
「永続!? 完済しないの!!?」
ミラ
「負債が子に相続され……孫に相続され……“永遠に支払われ続ける”仕組みです」
タクミ
「地獄の金融商品!!」
ヴァン
「永劫に続く債務の呪い……闇より生まれし枷実に美しい……!」
カーミラ
「黙れ」
“再開発都市”の正体は…犯罪級の国家事業
タクミたちは都市役所跡へ入る。
書類が山のように散乱し、机には倒産した不動産会社の印鑑がそのまま残っていた。
タクミが書類を読み、顔が真っ青になる。
タクミ
「……これ、魔界の国ぐるみの詐欺じゃないか……」
ミラ
「ええ。魔界政府は、この都市を“未来型巨大都市計画”として発表し……
しかし実際は、建設費を中抜きしてほとんど工事されていませんでした」
タクミ
「うわあああ!! 闇が深すぎる!!」
そのとき、バイオオセンが書類の山に鼻を近づけ、うっとりする。
バイオオセン
「負債……破産届……未払い請求書……
ああ……最高……ヌチャ♡」
タクミ
「その嗜好だけは何とかしてくれ!!!」
ミラ
「タクミ様。この都市を再生するには……
まず、住民の“無限ローン”を撤廃しなければなりません」
タクミ
「撤廃って……銀行が応じるか?」
ミラ
「現状……99%、不良債権です。
銀行も、維持すればするほど赤字なのです」
タクミ
「……つまり、泥沼の“誰も得しない契約”ってことか」
ミラ
「はい。ですが……交渉は不可能ではありません」
タクミ
「よし! やるか! 銀行と直接交渉して――」
バイオオセン
「交渉相手の銀行役員……“凶暴魔族”として有名……
うまくやらないと……タクミ様、食われちゃう……ヌチャ♡」
タクミ
「なんでそんな怖いこと言うの!?」
廃墟の中で、タクミは決意する
タクミ
「みんな……俺、怒ったよ。
この都市、住民が一番の被害者じゃないか」
リーナ
「タクミ……おこ……でも、やさしい……えへへ」
カーミラ
「……行くなら護衛する」
ヴァン
「負債の闇を断ち切る剣……俺の魂が震える……!」
タクミ
「うん、ちょっと黙っとこうか」
ミラ
「タクミ様……この都市を救えるのは、あなたしかいません」
タクミ
「任せろ。地獄みたいなローン制度も、不動産の闇も……
“全部まとめて、再開発してやる!”」
バブル崩壊の亡霊が彷徨う都市で、
タクミは最大最悪の金融戦争に挑むことを決めた。




