第9章 「町の再生を阻む“地上げ魔族”」
忘れられた町が異様に賑わい始めていた。
理由はただひとつ。
“天然魔ガス(マガス)”の超巨大鉱脈発見。
地下の魔霧を分析した結果、
ミラが驚愕のレポートを提出する。
ミラ
「タクミ様……これは“魔霧”ではなく、
高度に精製されたエネルギーガスです。
発電にも、街の暖房にも……なんでも使えます!」
タクミ
「マジか……!
これ、宝石鉱山リゾートの資金が全部まかなえるだろ!」
リーナ(小妖精)
「ニャンデスト!? ガス、オカネニナル? いっぱいナル?」
バイオオセン(館長)
「ガス……いいにおい……ヌチュ……
わたしの身体にも入れて……発電したいヌチャ♡」
カーミラ
「やめろ気持ち悪い」
ヴァン
「魔ガス……闇に揺らめく、禁断の力か……(中二ポーズ)」
街の未来に光が差し始めた
その時。
黒塗りの馬車50台が乱入
地上から“黒の旗印”を掲げた魔族集団が進軍してきた。
その名も《ブラック地上げ連合(Black Bulldoze Union)》
リーダーの地上げ魔族ガラバは、
タクミの目の前で巨大な買収契約書を叩きつけた。
ガラバ
「よォ、聞いてるぜタクミ。
この土地、いま価値が跳ね上がってるらしいなァ?」
タクミ
「聞き流す気満々の顔してるな」
ガラバ
「そこで俺らが考えた。
お前らが開発する前に
土地ごと買い占めて、地下ガスと宝石鉱脈を全部独占するってな!」
タクミ
「まだ宝石なんて見つけてねぇよ!」
ガラバ
「ガハハ!見つかってからじゃ遅ぇだろ!」
ヴァン vs 地上げ魔族(口喧嘩)
ヴァン
「地上げの刻……暗黒の交渉が始まる……!」
カーミラ
「はいはい中二病やめて冷静になろ?」
ヴァン
「黙れ、我が闇は真実を照らすッ!!
まずお前らの査定書……
幼稚園児が書いたのか?」
ガラバ
「なんだとコラァ!!」
タクミは買収条件の契約書を一瞥すると、
タクミ
「……“固定資産税”の計算が昭和で止まってるぞ?」
ガラバ
「な、昭和……?魔界の紀元じゃねぇのか?」
タクミ
「あとこれ、“地役権”の意味わかって書いてる?」
ガラバ
「地……なんだと?」
タクミ
「つまり、この契約は全部“無効”だ。」
ガラバ&地上げ魔族
「う、ウソだろぉぉぉ!?!?!?」
ミラ
「タクミ様……完璧すぎます」
リーナ
「タクミ、すごい! あたまキラキラ!」
ヴァン
「ふっ……タクミ……闇の鑑定士と呼ばれるがいい……」
カーミラ
「有能」
地上げ連合は顔を真っ青にして後退した。
ガラバ
「く、くそッ!
覚えてろよぉぉぉ!!
次はもっとえげつねぇ“地上げ兵器”持ってくるからな!!」
黒馬車は排気煙を撒き散らしながら退却していった。
地価急上昇、町の未来が加速する
ミラ
「タクミ様……地上げ連合を撃退したことで、
不動産価値がさらに上昇しました!」
タクミ
「ガス収入も安定してるし……
いよいよ宝石リゾートの基盤ができてきたな!」
ヴァン
「闇の繁栄が始まる……」
カーミラ
「黙れ!」
リーナ
「オカネナルヨー!」
バイオオセン
「魔霧ガス……もっと吸いたいヌチャ……」
タクミ
「吸うな!!」
こうして、
忘れられた町は“復活への第一歩”を大きく踏み出したのだった。




