第8章 「鉱王都市の地盤調査―地下深部の“第二層”へ」
忘れられた町・地下調査、第二段階。
タクミ一行は、鉱王グラビガルムの案内で、
さらに深く“第二層”と呼ばれる地底領域へ踏み込んだ。
だが、
視界ゼロ。息苦しい。皮膚がビリビリ痺れる。
そこに漂っていたのは、第一層とは比べ物にならないほど濃い――
魔霧。
通常の魔霧とは違う。
粘度があり、熱を帯び、微かに爆ぜる音すらしている。
タクミ
「……これ、魔霧っていうより――」
ミラ(秘書口調)
「タクミ様、成分を解析いたしました。
これは魔霧ではなく……極めて純度の高い“可燃性ガス”です」
タクミ
「ガス……!? じゃあこれ、もしかして――」
グラビガルム
「うむ。第二層は古代より“火を灯すな”と禁じられていた。
爆ぜるからだ」
ヴァン
「爆ぜる炎……闇の宴を誘う破滅のガス……」
(よくわかってない)
カーミラ(短く)
「危険」
リーナ(カタコト)
「タクミ〜、くさい……でも、エネルギーのニオイするぅ〜」
タクミの頭の中で、投資家としての電卓が高速回転し始める。
もし、このガスを回収して地上へ供給できれば――
枯れたゴーストタウンが“資源都市”に変わる。
タクミ
「ミラ、ガスの埋蔵量は?」
ミラ
「推定ですが……小国一つを百年動かせます」
タクミ
「……は?」
ミラ
「タクミ様。これは“天然魔ガス田”です。
リゾートも、街再生も、すべてを黒字化できます」
タクミ
「マジかよ……!?」
そんな中、バイオオセンだけが――
バイオオセン
「すぅぅ〜……♡
あぁ〜……この香り……
体に染みわたる……最高のガスですねぇヌチャ♡」
全員(心の声)
(慣れすぎだろコイツ)
“第二層”で起きた事件
タクミが採掘ポイントの座標を記録していると――
ゴゴゴゴゴゴ……!!
地中が揺れ、巨大な管のような穴が口を開けた。
ミラ
「タクミ様! 未知の生命反応、接近します!」
次の瞬間、ガスに紛れて“ガス喰い魔獣”が襲いかかる。
ヴァン
「来るか……! 闇に溺れろ、《影穿の黒牙》!」
カーミラ
「……行く」
リーナ
「タクミー!シヌゾー」
戦闘が始まるも、魔獣はガスを吸うたびに膨れあがり、
常識外れのパワーを手にする。
タクミ
「ガスが栄養になるタイプか!? 厄介だな……!」
そこでグラビガルムが大地を揺らして一喝。
グラビガルム
「ガスは拙が抑える。そなたらは討て!」
バイオオセン
「任せてくださぃ……♡ 抽出、圧縮、排気……ぜんぶ私の得意分野ですヌチャ♡」
なぜか完璧なガス処理技術を見せるバイオオセン。
ガス量が減ったことで魔獣は弱体化し、
ヴァンとカーミラの連携で撃破される。
タクミ
「このガス……安全に採取して発電に使えれば……
街のインフラが全部復活する。
さらに、認可を取れば“魔ガス輸出”だってできる!」
ミラ
「それが実現すれば、宝石鉱山リゾート構想も――」
タクミ
「完全実現可能になる!」
全員の目が輝いた。
ただ一人を除いて。
バイオオセン
「ガス吸い放題の未来……最高ですヌチャ♡」
こうしてタクミは確信する。
“宝石鉱山リゾート”は資源都市として生まれ変わる――。
ガスの利益を資金源にできる!
忘れられた町の再生計画は、
ここから一気に現実味を帯びていくのだった。




