第7章 「宝石鉱山リゾート構想、始動!」
古代鉱山都市の最深部。
タクミたちは、グラビガルムの膨大な魔力が脈打つ“地底王座”にて、戦いではなく――交渉の席に着いていた。
地を震わせる重低音が響く。
鉱王グラビガルム
「フハハ……凡俗が、我と“共同開発”などと申すか。」
タクミは一歩も引かない。
タクミ
「あなたの永遠の力……この鉱山都市を守ってきたのは本当にすごい。でも今は、もう誰も住んでないんだ。
だったら“新しい形で復活させる”べきなんだよ。」
グラビガルムの目がわずかに揺れた。
ミラ
「タクミ様のおっしゃる通りです。
この都市の魔力資源を、持続的に活用するための“都市計画案”をご覧ください。」
ミラが魔導スクリーンを展開する。
タクミの構想(まだ実行はしない、あくまで計画)
タクミ
「まずは……“宝石鉱山リゾート構想”。
もちろん、すぐ工事はしない。あなたの力を尊重しながら、慎重に調査します。」
スクリーンに映る未来図。
①地下ダンジョン → 鉱王公認の宝石採掘体験ゾーン
・観光客は安全な範囲のみ入場
・魔力濃度は鉱王が制御
・採れた宝石は一部持ち帰り可能
グラビガルム
「……ほぅ。民が結晶に触れれば、我への供物にもなる。」
②地上の廃タワマン → 王の威光を象徴する“鉱煌ホテル”へ再設計
・外壁に天然魔石を埋め込むライトアップ
・内部は巨大魔石シャンデリアが彩る広間
・鉱王の力でエネルギー完全自給
カーミラ(一言)
「光りすぎ。」
③駅前 → 魔石きらめきストリート
・魔石を埋め込んだ路面
・夜になると駅前全体が光の川に
・“鉱王の祝福”をテーマにした演出を予定
ヴァン(中二)
「闇が光を抱き、煌めく街路となる……悪くない。」
④鉱王ショータイム(仮)
・グラビガルムの重力制御を使った夜の演出
・ヴァンの闇魔法で“影と宝石の舞い”を演出
・もちろん安全管理は最優先
バイオオセン
「ショー……わたしも混ざる……毒胞子で彩る……キレイ……ヌチャ♡」
全員
「混ざるな!!」
“共同開発”という新たな道
タクミは最後に、静かに頭を下げた。
タクミ
「鉱王グラビガルム……
あなたの都市に無礼をするつもりはない。
一緒に、この都市を“世界一の鉱山リゾート”に育てたいんだ。」
しばしの沈黙。
地底が震えた。
グラビガルム
「……面白い。
永劫の守護に飽いていたところだ。
凡俗よ我が都市を、お前の知恵で輝かせてみるがいい。」
タクミの目が光る。
「よっしゃあああ!!
鉱王公認の再生プロジェクト、スタートだ!!」
リーナ(妖精)が小さく飛び回る。
「タクミ、ヤル! マチ、フッカツ、ツクルヨー!」
ミラ
「タクミ様、正式に“鉱王都市再生計画”が始動いたしました。」
こうして
忘れられた町は、静かに再生の第一歩を踏み出した。
しかしまだ、誰も知らない。
この地底には“さらなる巨大な秘密”が眠っていることを。




