第17章 「デスアイランド崩壊!タクミの脱出作戦・最終段階!!」
ガルドロスΩの重力波が臨界点を超えた瞬間
大陸を割るような轟音が鳴り響いた。
――――ギィィィィィンッ!!――――
巨大監獄島・デスアイランドは中心から裂け、
空へ向かって垂直に割れていく。
「島が……割れた……!?」
「ちょっと待てまだ俺はシフト中だぞォォ!!」
囚人たちは悲鳴と共に転げ落ち、建物は空中へ舞い上がる。
その裂け目のど真ん中で
勇者アレックス vs ガルドロスΩ
最終決戦が続いていた。
アレックスは胸の奥からあふれる“勇者核”を解放する。
「タクミ……お前が助けてくれた命だ!
ここで終わらせるわけには……いかないッ!!」
蒼白いオーラが爆炎のように噴き上がる。
大気が震える。
その拳が、。光を纏う。
「勇者奥義
希望穿光!!」
一閃。
光の拳が島を横断し、海を真っ二つに割った。
ガルドロスΩの胸に直撃!
しかし―
「フン……痒いわッ!!」
ガルドロスΩは、逆に重力波を爆発させアレックスを吹き飛ばした。
「くっ……まだ……まだだ……!」
タクミは監獄の中央制御塔へ駆け込む。
「島が崩れる前に!
“監獄フェーズ逆転装置”フルパワーで起動!!」
装置が青白い光を放ち、巨大牢獄全体の機構が空へと浮上する。
全建造物が空中回転し、瓦礫を避けるように分離する。
アレックスが驚いて叫ぶ。
「タクミ! お前……こんなヤベぇもん作ってたのか!!?」
「だって脱獄用ですよ!?
普通の装置じゃ意味ないでしょ!!」
「いや発想がそもそも犯罪者なんだよ!!」
怒り狂ったガルドロスΩが最後の姿へ変貌する。
全身から火山噴火、雷雲、毒沼、竜巻、重力波が同時に噴き出す。
「貴様らァァァァ!!
この島ごと消し飛べぇッ!!」
魔獣の咆哮で海が飲み込み、空が裂けた。
アレックスは震えながらも立ち上がる。
「……タクミ。
助けてくれて……ありがとう。」
タクミ
「礼なんていいから早く倒してくれええ!!」
アレックスが剣を掲げる。
「勇者最終奥義
天地崩光刃!!」
天界の光を呼び出し、
大地を貫く光柱をガルドロスΩへ叩き込む!
――ズバァァァァァァン!!
ガルドロスΩは光に呑まれ、ついに崩れ落ちた。
「馬鹿な……私が……敗れる……ッ……!」
巨大魔獣は闇の霧へと消えた。
◇◇◇
空から王族アラジンが着地。
「……ふむ。開発としては合格だ。
だが脱獄はアウトだ。」
タクミ
「ひぃぃぃ!!」
しかし、アレックスの冤罪が明らかになり
アラジン
「今回は……黙認する。」
タクミ
「助かったぁぁぁ!!」
デスアイランドは、新たなる進化へ
崩壊したはずの島は、タクミの逆転装置の副作用により
再構築され、奇妙な姿に変貌。
新名称:監獄テーマパーク《デスリゾートアイランド》
バイオオセン
「やったぁぁ♡ ヌチャ♡ ヌチャ♡
今日からボクがデスランド館長だよぉぉ♡」
タクミ
「やめろおおおおおお!!なんで任命した!!?」
アラジン
「人手不足だ。金もかかるし」
タクミ
「理由うっす!!」
バイオオセン
「さぁ来園者のみんな~♡
菌と触れ合おうコーナー、無料だよぉ♡」
タクミ
「絶対ダメぇぇぇぇぇ!!!」
「さぁ囚人たちがガイドするよー!」
「脱獄アトラクションは“死ななければ成功”だよー!」
観光客たちが歓声を上げ、
世界一スリリングなテーマパークとして大人気に。
アレックス
「タクミ、お前……すげぇよ。」
タクミ
「いや褒められるようなことしてないと思うんですけど!?」
タクミだけが青ざめる。
「で……俺、次は何するんですか……?」
王族アラジンはメチャクチャ爽やかに笑った。
「次の不動産の投資先だ。聞いて驚け。」
ゴクリ。
「“伝説の忘れられた町リゾート”の再建だ。」
タクミ
「えええええええ!?
絶対ろくでもない匂いしかしないんですけど!!?」
アラジン
「来週からだ。」
タクミ
「地獄のハードスケジュール!!」
こうして、タクミの魔界での不動産投資の地獄は続く。
✨第二十一部 S級犯罪者の監獄島開発編 完✨




