第16章 「勇者アレックス、覚醒の閃光! ガルドロスΩ、破滅の黒炎!!」
ガルドロスΩ、破滅の黒炎!!
巨大牢獄が浮かび、島が割れ、
監獄全体が“最終決戦フィールド”に変貌していた。
タクミは処刑ショー用の装置を逆転させながら叫ぶ。
「アレックス!! あと10分で島ごと落ちるぞ!!
覚醒しないとマジで終わる!!」
勇者アレックス
寝ぼけ顔で剣を持ちながら言った。
「なんか……
昨日より世界がうるさいな……?」
いや、君が死にかけてただけだ。
ガルドロスΩが咆哮を放つ。
「我がすべてを砕き尽くす……
滅界五連律!!」
同時に
火山爆発、毒沼津波、竜巻螺旋、雷雲黒撃、重力歪曲
が島全域を襲った。
まるで世界の終わり。
タクミ、絶叫。
「勇者ァァァ!! 寝ぼけてる場合かッ!!」
その瞬間
アレックスの足元に“白金の紋章”が浮かぶ。
「……あー……やっと来たわ。」
寝ぼけ声のまま片手を上げた。
だが空気が変わる。
気温が数十度跳ね上がり、
“世界の理”がアレックスを中心に書き換わる。
ガルドロスΩが一歩下がった。
「なんだと……?」
アレックスは無表情で言う。
「寝起きの俺は……一番機嫌悪いんだよ。」
アレックスの剣が白金の太陽を背負う。
「光皇無双剣」
一振り。
それだけで――
ガルドロスΩの放った火山・雷雲・重力波が
“全消滅”した。
タクミが叫ぶ。
「え!? 世界規模の攻撃を“斬った”…の!?」
アレックス
「うるさいんだよ、さっきから。」
寝起きの不機嫌は世界すら焼き払う。
しかしガルドロスΩは笑う。
「さすが勇者……
だが私も本気を出すとしよう。」
全身の魔核が暴走し、
世界が黒く染まる。
「我が最終奥義……
虚無災禍!!!」
空が裂け、
島が泣き、
天界が悲鳴を上げる。
勇者アレックスだけが微動だにしない。
「……やっと本気か。」
剣を両手で握り、片目を開く。
「じゃあ……寝起きの仕上げ、いくか。」
白金の光が地平線を覆い、
ガルドロスΩとの間で“宇宙規模の衝突”が起きる。
タクミ、叫ぶ。
「おおおおい!!
島が割れすぎてるんだが!!?」
ヴァン(猛毒霧をかわしながら)
「勇者殿の戦い……桁が違う!!」
カーミラ(バイオオセンをぶっ飛ばしつつ)
「アレックス!! 早く決着つけろ!!
こっちは細菌ババアの霧が目にしみるのよ!!」
バイオオセン
「ヌチャ♡ 感染拡大ちゅう♡」
白金の勇者光線と、
黒炎のガルドロスΩがぶつかりあい
世界が割れた。
空が砕けた。
海が立ち上がった。
そして
アレックスの声が響く。
「これで終わりだ。」
白金の剣が
ガルドロスΩの胸を貫く。
「ぐおおおおおおおッ!!
勇者アアアアアア!!!!」
島全体が光に飲まれた。
衝撃のあと、
アレックスがふらりと降り立つ。
「……あー……
やっと目、覚めた。」
タクミ
「寝起き覚醒かよ!!」




