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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第二十一部 S級犯罪者の監獄島(デスアイランド)開発編

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第12章 「監獄逆転フェーズ爆裂!―デスアイランド最終戦 開幕」

「くそっ……あと3分で勇者の蘇生フェーズに入る!

 持ちこたえろおおお!!」


タクミが死体安置所の奥で、凍りついた勇者アレックスの胸に必死の心臓マッサージを続けている。

ミラは震える手で聞く。


「タ、タクミ様あっためればよろしいでしょうか? も、燃やしてもいいのかしら!?」


「燃やすな!! ただ温めるだけ!! 水をくんでお湯を沸かしてください。」


そんな叫びを吹き飛ばすように、監獄全体が火山のように揺れた。


「グォオオオオオオオオオ!!」

火山噴火のような咆哮。


所長ガルドロス。完全魔獣形態。


その巨体が金属壁を砕き、タクミたちの前に姿を現した。


「全員まとめて粉砕してやる!!

 勇者の死体も、貴様らの命もなァ!!」


戦闘開始。絶望濃度100%―


ヴァンが一歩前に出る。闇のオーラが背中に翼のように噴き上がる。


「中二病的に戦いの刻……!

 我が宿命、ここに極まれり!

 死神の断罪デスブリンガー・クラッシュ発動ッ!!」


闇の鎌が空間を裂き、黒い衝撃波がガルドロスへ一直線!


しかし――


バキィィン!!!


ガルドロスの胸板に当たった瞬間、闇の斬撃はガラスのように粉砕された。


「効かんわ。小虫が。」


ヴァンが膝から崩れ落ちる。


続いて、カーミラが鋼鉄化した手足で飛び込む。


「鋼鉄の旋風連撃――

 アイアン・スパイラル・ストライク!!」


回転しながらの連打、金属嵐が暴風となりガルドロスを飲み込む!


だが――

ガルドロスの腕がわずかに動いただけでカーミラは壁へ叩きつけられた。


「ふっ……鋼鉄が紙のようだ。」


そこへ、副所長バイオオセンが、

背中から触手状の菌糸を噴き出し襲いかかる。


「細菌の墓場へ送ってやるよォ……!」


ヴァンとカーミラは菌の侵食に苦しみ、動きが鈍る。

2人の体表に黒い腐敗紋が広がり始めた。


「くっ……!動け……動けッ!」


―タクミ、逆転フェーズの切り札発動へ―


タクミは額から血を流しながら叫ぶ。


「あと1分……!

 アレックス……戻ってこい……!!」


ガルドロスが巨大な影となり、タクミたちを覆う。


「終わりだ。監獄ごと消し飛べッ!!」


ガルドロスの必殺技<火獄圧殺ヴォルケーノ・プレス


大地を揺らすほどの全身落下。

金属床が溶解し、重力そのものが押し潰すような圧が迫る。


その瞬間、タクミが叫んだ。


「ミラ!!全魔力でアレックスを温めろ!!

 ただし燃やすな!!絶対だ!!」


「わ、わかりました!あっためるだけね!!

 ほわぁぁぁぁ……!!」


ミラの火魔法が人体をギリギリ焦がさない医療レベルの温度でアレックスを包む。

氷が溶け、心臓がわずかに震え始める。


タクミは最後の心臓マッサージを叩き込む。


「蘇生フェーズ逆転 フル・アクティベーション!!

 起きろアレックス!!!」


デスアイランド最終局面

ガルドロスの大質量が迫る。


「砕け散れェェェ!!!」


ヴァンとカーミラは動けない。

ミラは火の制御で手一杯。


タクミはアレックスに覆いかぶさるように叫ぶ。


「いいかアレックス!

 今起きなきゃ世界が終わる!!

 目を覚ませッ!!」


その瞬間


アレックスの指がピクリと動いた。


心音が鳴る。


ドンッ!!!


ガルドロスの巨体落下。


爆風。監獄崩壊開始。


タクミの視界は白く弾け

次に何が起きたかは誰にもわからなかった。



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