第7章 「脱獄ルート作成中!そして所長ガルドロスの“職場改革地獄”開始!?」
タクミたちは、
S級犯罪者たち囚人たちと看守たちを “金と交渉とカーミラの拳” により完全に味方につけ、
ついに
勇者アレックスを逃がすための脱獄ルートが、ほぼ完成した。
壁の裏に作った秘密通路。
地雷原の“安全に爆発するゾーン”の確保。
夜になると歩く牢屋の誘導ルート。
重力反転廊下の“反転無効スポット”。
看守長ゴブリン達の買収済み巡回ルート。
タクミ
「……完璧だ。
いや怖いくらい完璧だ……?」
勇者アレックス
「本当に逃げ切れるのか……?」
タクミ
「任せろ!ここまで計画が順調なのは珍しい!」
ミラ
「不安しか生まれませんね」
ヴァン(恍惚)
「影たちが囁いている……“嵐の前の静けさ”…と……」
リーナ
「ヤメテ!怖いコト言わないで!」
そして驚くほど本当に、
静かだった。
看守は妙に優しい。
囚人は妙に礼儀正しい。
暴動はゼロ。
職員の離職率もゼロ。
魔界刑務所らしからぬ “平和” が広がっていた。
タクミ
「なんで!?急にみんなまともになった!?」
看守A
「いやぁ、タクミさんが給料上げてくれるって噂で!」
囚人B
「労働時間が半分になっただけで、生きる希望わいたわ!」
囚人C
「福利厚生がマジでありがたい。歯科検診とか神か?」
タクミ
「俺そんなこと言ってない!!?」
その時。
ドォォォォォォン!!
監獄島の中央塔から、大地が震えるほどの重低音。
カーミラ
「……来たな」
塔の頂上から姿を現したのは
身長3メートル、黒鉄の皮膚、バリトンボイスの魔界巨人。
所長ガルドロス。
その隣には、
ヌチャヌチャした歩き方の粘液魔族・
副所長バイオオセン がいた。
ガルドロス所長
「タクミ」
タクミ
「ひいっ!?は、はいっ!?」
ガルドロス
「お前の “改革” のおかげで、職員の満足度が300%上がった。」
タクミ
「え……?(褒めてる……?)」
ガルドロス
「よって命じる。」
タクミ
「え?」
ガルドロス
「この監獄を、魔界で一番 “強固で安全でクリーンな職場” にしろ!」
タクミ
「いやぁぁぁぁぁぁ!!?」
バイオオセン(ヌチャ)
「ヌチュ……タクミくん……新しい “残業削減ヌチャマニュアル” ヨロシクねぇ……」
タクミ
「働き方改革しに来たんじゃない!!観光地化させるんだけど!!!」
ミラ
「脱獄計画は既に完成間近。あとはタイミングです」
ヴァン(黒笑い)
「影は言っている……
“ここからが本当の地獄だ” …と……」
リーナ
「全ッ然安心できナイ!!」
しかし、所長ガルドロスはすでに
タクミの計画の“核心”を見抜いていた。
振り返ると
看守の一人が、怪しい石版を持っていた。
スパイ看守
「所長……例の報告です」
ガルドロス
「……ほう」
石版にはこう刻まれていた。
《タクミ、勇者アレックス脱獄計画まとめ(試作版)》
勇者アレックス脱獄計画が
完全にバレているとは知らずに




