第1章 「監獄の島デスアイランド上陸 ― 到着10秒で死にかける」
タクミたちを乗せた魔界渡航船がデスアイランド桟橋に着いた瞬間
バチィィィン!!
桟橋の見張り魔界刑務官(筋肉とタトゥーでできた男)が、
いきなり即死魔法をタクミの額に照準。
刑務官
「はい到着。では死んでください」
タクミ
「到着10秒で死刑なの!? 旅行者に対する扱い雑すぎない!?」
次の瞬間――
カーミラが無言で刑務官の顔面を“裏拳ワンパン”で破壊。
カーミラ
「……邪魔」
刑務官(顔がねじれて海に落ちる)
「ひゅごぉおお」
ヴァン
「この島……『影の濃度』が異常だ……!
フハハ、オレの中二病ゲージが勝手に上がる……ッ!」
ミラ(スーツ姿で、なぜか落ち着いてメモを取っている)
「はい、到着直後の危険度:MAX評価。保険料、通常の70倍です」
タクミ
「島に着いただけで破産するレベルじゃん!!」
上陸5秒後
遠くから、囚人の咆哮が轟く。
「グォォォォ!!外出許可ほしいィィィ!!」
「飯増やせェェェ!!」
「ちょっとでいいから人間食わせろォォォ!!」
タクミ
「いや要求がバラバラすぎて逆に怖い!」
ヴァン(うっとり)
「この混沌……最高だ……闇の胎動を感じる……」
◆上陸7秒後
空から処刑ギロチンが“羽根付き”で滑空してくる。
タクミ
「え!?ギロチンが……飛んでる!?」
ギロチン
「処刑対象、発見。処刑対象、発見。」
ミラ(自然体)
「うちの事務所でも導入します?」
タクミ
「何の業務で使うつもりだよ!!」
カーミラはギロチンに向けて煙草の火を“ふっ”と吹きかける。
次の瞬間――
ギロチンは燃え、泣きながら墜落。
ギロチン
「熱い!使用者の愛が重い!!」
上陸10秒後
背後で牢獄そのものが歩いている。
「ガシャン……ガシャン……」
檻の中の囚人たち
「散歩の時間だァァ!!!」
「外の空気うめぇぇええ!」
タクミ
「……え?牢獄って歩くのが普通なの?」
ミラ
「はい、“逃げられない牢獄”として魔界では人気です」
タクミ
「人気って何!?」
そして、タクミ一行の前に
巨大な処刑刀を肩に担いだデスアイランド所長ガルドロスが現れる。
ガルドロス
「観光開発?バカかな?
ここは刑務所で処刑場で、ついでに地獄のテーマパークだよ」
タクミ
「いや最後の1個だけテーマパークって言ったよね!?」
ざらり……と風が吹き、タクミの足元へ一枚の名簿が滑り込む。
タクミ
「ん?これ……囚人名簿?」
見た瞬間、タクミの目が点になる。
【収容者:アレックス=勇者。
罪状:厄介。
行き先:最深部・禁忌区画。
処刑予定:3ヶ月後】
タクミ
「3ヶ月後に処刑予定って早ッ!?
勇者なのに扱い雑すぎない!?」
ミラ
「勇者保険という特別保険もありますが……掛け金が国家予算レベルです」
タクミ
「払えねぇよ!!」
カーミラ
「……助けるの?」
タクミ
「もちろんだ!!俺の投資対象だし!」
ヴァン(黒い炎をまといながら)
「フハハ……禁忌区画……!
名前になんて魅力的な闇の香り……
我が影胎が震えている……!」
ミラ
「はい、皆さん。脱獄計画、立てますよ」
タクミ
「お前が一番ノリノリじゃないか!!」
地獄の刑務所観光(?)不動産開発が開幕した。




