第4章 「破滅の森の地下で“何か”が動く ― 本格開拓スタート」
破滅の森、中心部。
タクミ一行は、ついに“滅びの樹”と呼ばれる巨大黒樹へと辿り着いた。
幹はねじれ、樹皮は常にボロボロと砂のように崩れ落ち、根元には謎の黒い脈動――まるで「生きた地震」のような脅動が走っている。
地面の下で「ズ…ズズ…ズチャ…!」
ミラ
「ちょ、ちょっと! 森の下でゴロゴロ動いてるんですけど!? 地面から“胃袋の音”してません!??」
ヴァン
「フッ……深淵が俺を呼んでいる……
地の底から這い出る影……吸い切ってやる……(舌なめずり)」
タクミ
「やめろヴァン! 吸うな! 今回はマジで何か出そう!!」
カーミラ
「出たら殴るだけ」
建材が“触れただけで粉砕”の絶望
タクミたちは計画通り、滅びの樹の根元に観測拠点を建てようと資材を置いた――
パラリ…サラサラ…!!
タクミ
「え? 置いただけで粉になったんだけど!?
建材の尊厳どこ行った!?」
ミラ
「はい、粉砕確認いたしました〜。
保険的には“自然災害扱い”で、追加料金……こちらです♡」
ミラは魔法タブレットをタップ。
保険料:既にタクミの年間収入の24年分。
タクミ
「いやいやいやいや!!
まだ建ててもないのに俺もう破産寸前!?」
リーナ
「コノ森、胃袋アルヨ! 絶対アルヨ!」
森全域に響き渡るランプーンの声
突如、空気が震えた。
「……ククク……我が被害者面の投資家よ……
その樹は“朽ちの核”だ……
お前らの金も、建材も、夢も全部朽ちろォ!!」
タクミ
「出たなランプーン!!
ここまで来ても妨害すんのかよ!!」
ランプーン
「妨害? 違うな。“応援”だ。
朽ち果てる姿を見るのが……私は大好きでね?」
ヴァン
「影……濃密……最高……(恍惚)」
カーミラ
「殴る(即答)」
タクミ
「……待てよ。
建材が全部粉になるほど“腐食の力”が強い……
ってことは……これそのものが“アトラクション”にならないか?」
全員
「……は?」
タクミ
「“触れた瞬間粉になる森の樹”ってヤバくね?
観光客、絶対触りたがるだろ!
“自己責任ツアー”で売れまくるぞ!」
ミラ
「確かに……危険性を“商品価値”として見れば……保険料も逆に膨れ上がって利益に……!」
リーナ
「たしかに!
“触れたら粉になる世界樹”とかSNSでバズるよ!」
ヴァン
「粉になった影も吸える……(うっとり)」
カーミラ
「腐った樹に勝てないなら――利用するだけ。」
タクミ
「そう! “滅びの樹”を巨大モニュメントとして
『崩壊の瞬間を見られるサファリパーク』にする!!」
ランプーン
「……お前ら……常識を……破壊しすぎだろ!?
(何その発想!? 怖っ!!)」
タクミ
「ランプーン、お前の呪い、全部“観光収益”に変えてやるからな!!」
ランプーン
「やめろォォォ!! 朽ちろ!! 朽ちてくれ頼む!!!」
滅びの樹を逆に観光の目玉にすることにタクミは決断したのだった。




