第3章 「デスサファリパーク基本計画会議」
デスサファリパーク候補地・森の中央
巨大な切り株を会議テーブルにして、全員が集まる。
観光ルートの基本案を発表
タクミ
「よし、今日は“安全に回れる観光ルート”を決めるぞ!
ここを入口にして、こっちが絶景スポット、“死なない展望台”で――」
その瞬間、地面が ぐにゃぁぁ… と曲がり始め、
タクミの描いたルートが生き物のように ズルズル移動。
タクミ
「動くなああああぁ!! 地形!! まだ説明途中なんだよ!!」
リーナ
「“生キテル森”ダモンネ。昨日ノ入口、今日ハ胃袋ノ中ダシ!」
タクミ
「胃袋なんて概念のある森なの!? 怖すぎ!!」
ミラ(魔法のタブレットを操作)
「はい、デスサファリパークの“建物崩壊リスク保険”を計算しました。
10秒で終わりましたよ(微笑)」
タクミ
「おお、早い!それで金額は」
スクリーンに表示された数値
『年間保険料:王国国家予算 × 2』
タクミ
「国家予算2倍!?なんで!?
まだ何も建ってないのに!? 森が勝手に倒してくるの!?ねぇ!?」
ミラ
「ええ、森が倒します。毎日。」
リーナ
「森ガ揺レルカラ。昨日アッタ大木、今日ナイヨ!」
タクミ
「森の運営方針が“破壊”なんだよ!!」
ヴァン(黒マントを翻しながら)
「……タクミよ。観光ルートなど、遊園地の蛇足。
この森の本質は“影の濃度”。
いっそ来園者に“影耐性チェック”を義務付けてはどうだ?」
タクミ
「そんな健康診断みたいな入場制限あるか!!
あと影耐性って何だよ!!」
ヴァン
「強き者だけが奥に進む…それこそ“選ばれし者のサファリ”。
フフ…ふさわしいではないか。」
ミラ
「それだと観光客がゼロになりますね。」
タクミ
「ほんとそれ。」
カーミラ(腕組み)
「地形が動くなら、地形を殴って止めればいい。」
タクミ
「いや止まらないだろ!!森だよ!?」
カーミラ
「昨日、入口の岩は止まった。
(※殴って気絶させた)」
タクミ
「岩が気絶する世界観なのここ!?」
突然、会議ボードが ドガァァン!! と吹き飛ぶ。
砂煙から、
砂の分身体ランプーンJr.(自称) が登場。
ランプーンJr.
「フハハハ!また計画してるのかタクミィ?
この森は我がランプーン様の“庭”だぞぉ!
勝手に観光地にするなああ!!」
タクミ
「わぁぁぁ破壊されたぁぁ!!!また最初からかよ!!」
リーナ
「ていうか毎回壊されてるよね?」
ミラ
「壊され前提で“壊され保険”作りましょうか?」
タクミ
「もう保険の話はやめろおおお!!!」
カーミラがランプーンJr.の頭を掴む
ゴッ!!
魔人ランプーンJr.
「うぼぁっ!?」(サラサラ崩れる)
タクミ
「よし!倒した! …けど会議室も森に吸収されてる!!」
地面
ズル…ズズズ…(会議テーブルを丸飲み)
タクミ
「だから動くなあああ森ィィ!!」
こうして、デスサファリパーク会議は一からやり直しとなった。




