第1章 「 破滅の森、入林許可“却下”!?」
有能秘書ミラより
「次の投資先は“デスサファリパーク”です!」
その報告書を見たタクミは、白目になった。
「ええええええ!? 俺の次のふど……不動産投資先って……“デスサファリパーク”なの!!??
なにそこ!!名前でもう死ぬじゃん!!?」
魔界役所・入林管理課
タクミは震えながら許可申請書を提出する。
魔界の受付職員は書類を一瞥し、顔色ひとつ変えず呟いた。
「ハーイ 魔王様 バンザーイ!」
「破滅の森を開拓申請と……死にますよ?」
「そんな軽く言う!?」
「死ぬ案件は申請枠“保留”になりますので、こちらの座布団(棺桶付き)に座ってお待ちくださ~い」
横を見ると、すでに3人座っており、棺桶に名前を書いていた。
魔界の破滅の森・入口
魔界役所を出たタクミ一行は、森の入口に到着。
入口だけで魔獣3匹が殴り合っている。
ガルルルルル!!!
グワアアア!!!
パオオオオオン!!!
タクミ
「入口でこれ!?どう考えてももう“サファリ”じゃなくて“バトルロワイアル”でしょ!?」
カーミラが一歩前に出る。
「……静かにしろ」
バゴォンッ!!
一撃で3匹まとめて崩れ落ちる。
タクミ「ナイス“静寂の拳”。」
中二病MAXヴァン、覚醒
森を見上げたヴァンの瞳が妖しく輝いた。
「フッ……闇が濃い……影の密度が、喉を焼くほど甘い……
ここは影喰いの楽園か?」
タクミ
「翻訳すると“たくさん吸えそう”ってことだな?」
ヴァン
「違う!もっと、こう…尊い意味だよ!!」
妖精リーナが周囲を警戒していると
「ん? あれ……誰かいる?」
木の上でキモかわいい二頭身の生き物が双眼鏡を構えていた。
「ランプーン様ノ命ニヨリ、タクミ監視中デス!」
タクミ
「え、使い魔!? 丸見えで隠れてないけど!!?」
リーナ
「ハァ~モウ!魔人ランプーンノ使イ魔カなんか―アアアアアッ」
ガブッ
ペロリ
魔獣(大)「(無言で捕食)」
タクミ
「リーナが食べられたァァァァァ!!!?」
ヴァン
「リーナの影……儚く薄れていく……尊い……」
カーミラ
「……助けろ」
魔獣(大)「もぐもぐ」
数秒後。
ポトッ……(巨大なうんこ)
その中からリーナが飛び出してきた。
リーナ
「フォオオオーッ!!
モウ!!ゼンゼン大丈夫ジャナイヨ!!!
妖精ダカラ生キテル!!心スゴイダメージ!!」
タクミ
「ごめんリーナ……“出勤早々うんこまみれ”って職場環境どうかしてるよね……」
リーナ
「ウンコァアオオ!!!」
カーミラが森の奥を睨む。
「……嫌な気配」
ヴァン
「フッ……闇の帝王よ……貴様の影、最後の一滴まで搾り取ってやる……」
タクミ
「やめて怒られるから!」
こうして、不動産投資家チームタクミの“破滅の森 開拓編”は、最初の一歩から破滅の匂いしかしない形で幕を開けた。




