表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第十九部 呪われた砂漠リゾートーデスオアシス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

189/238

第10章 「アラジンの大判定 ― 王族のリゾート勝負」

砂漠の大王族で大富豪のアラジンが、ようやく砂嵐と金の匂いを巻き散らしながら到着した。


身にまとうローブは宝石が重すぎて肩が下がり、足元には“金貨の風”が吹いている。歩くだけでチャリンチャリンと音がする男は、タクミたちの前で高らかに宣言した。


「本日よりリゾート都市・最終審査を開始する!」


護衛たちは王族特有の“仕事してる風ポーズ”をとって立ち並ぶ。

ランプーンは緊張のあまり、鼻の穴が通常の3割増しになっていた。


■ランプーン・リゾートの視察

金持ちが金持ちのためだけに作った、金の亡者の都市

アラジンが最初に訪れたのは、ライバルであるランプーンが建設した“黄金のリゾート都市”。


砂漠のど真ん中に、

・金のプール

・金のベッド

・金のトイレ

・金のサソリ(本物)

何から何まで金色すぎて、逆に視界に優しさがない。


アラジンは一通り見て、ふーっとため息をついた。


「金持ちが、金持ちのために、金持ちを呼びこむだけの都市だな」


ランプーンは誇らしげに胸を張る。


しかしアラジンは続けた。


「庶民を全く見ていない。市場がない。生きる生活がない。

これでは“宗教施設”に近いぞ。崇拝対象は金だがな」


ランプーン

「(宗教…?いや褒められてる…?)」


褒められてはいない。


タクミたちが疑問に思っていると、カーミラがぽつりと言った。


「あの二人…昔、同じ“砂漠王塾”の同期だった」


ヴァン

「えっ、同期? あの金ピカと、あの砂魔神が?」


リーナ

「性格、真逆ナノニ…!」


カーミラ

「アラジンは“民衆の暮らし”を学び、

ランプーンは“金を増やす方法”だけを学んだ」


タクミ

「うわ…分かりやすい分岐点…」


アラジンは視察の最中、ランプーンにだけ異様に辛辣。

その理由は、同期対決の火花だった。


◇タクミ側の都市 王宮タージマハーレル視察


アラジンが次に向かったのは、タクミたちが造り上げた魔界ドバイ都市。


白大理石が砂漠の光を浴び、空の青を反射しながら浮かび上がる。

市場には職人、料理人、魔法品商人で賑わい、

子どもたちが走り回り、路地には音楽が響く。


アラジンは静かに言った。


「……息をしている都市だな」


タクミ

「え、えっ、あの金貨大好き王子が褒めた?」


ミラ

「“人がいる”からこそ成り立つ街です! ランプーンのリゾートと違って!」


そのとき


ミラが情熱を込めて市場の意義を語ると、アラジンが反論する。


アラジン

「市場は混乱も産む。統治の面では管理されたリゾートのほうが楽だ」


ミラ

「だからといって庶民を切り捨てていい理由にはなりません!」


アラジン

「だが金は全てを解決する」


リーナ

「解決しません!」


タクミ

「(あの…王族相手にそのテンション大丈夫?)」


カーミラ

「(むしろ私が心配)」


すると

議論が白熱してきたとき、アラジンの護衛がリーナに詰め寄った。


護衛

「口が過ぎるぞ庶民――」


ボコッ!!


カーミラの拳が、護衛の兜ごと顔面を凹ませた。


無言。

完全殺意ゼロの、ただの“静寂パンチ”。


護衛

「(音もなく…意識が…!)」


タクミ

「カーミラさん!? 今の絶対に加減してませんでしたよね!?」


カーミラ

「ムカついたから」


タクミ

「カーミラさまぁぁぁ!!」


次の瞬間、ヴァンがアラジンの背後でコソコソ何かしていた。


タクミ

「おいヴァン、何してるの?」


ヴァン

「いや、アラジンの“影”って高級そうだから…ちょっと吸えば

闇魔力のレベルが上がるかなと思って…」


アラジン

「やめろォォォッ!!!

人の影は勝手に吸うな!!」


ヴァン

「す、すみません…!」


タクミ

「怒られて当然だよ!!!」


一通りの視察を終え、アラジンは砂丘の頂に立った。


金貨の風が止まり、彼の瞳だけが鋭く光る。


「最終判定を下す。

どちらが“砂漠王都再建プロジェクト”を継ぐにふさわしいか――」


ランプーン

「(ドキドキドキドキ!!)」


タクミ

「(胃が…胃が死にそう…)」


アラジン

「だが

“最後の審査会場”はここではない」


タクミ・ランプーン

「「えっ?」」


アラジン

「次だ。

“破滅の森”

魔界最大の凶悪生物保護区にて

最終勝負を行う!」


タクミ

「な、なんで破滅の森!? あそこは入るだけで死ぬレベルですよ!?」


アラジン

「都市建設の神髄は、“死地での判断力”だ」


カーミラ

「…まあ、楽しそうじゃない?」


ヴァン

「クク…闇が濃い。影の鼓動が聞こえるよ。」


ミラ

「タクミ様、ご覚悟を…!」


ミラが破滅のデスサファリパークの情報を可視化した。


・砂漠の果てに突然現れる 黒いジャングル地帯

・理由不明の“瘴気の霧”が一年中漂う

・地図に載らず、勝手に道が変わる「動く森」

・ナビもコンパスも役に立たない

・危険魔獣が多く生息 1日として生き残るの困難な地


タクミ

「ええええええ!?

 俺の次の不動産投資先って……

 “デスサファリパーク”なの!!??

 聞いてない! てか死ぬ! 観光者より俺が死ぬ!!」


こうしてタクミの魔界国家開発アークは、次の地獄へと進む!




✨第十九部  呪われた砂漠リゾートーデスオアシス編 完✨


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ