第9章 「魔界ドバイシティ 試験開業 ― 砂漠の奇跡」
灼熱の砂漠
かつて“死の砂漠”と呼ばれた地に、ついに光が灯った。
タクミ不動産投資家チームが総力を挙げて作り上げた、
魔界初の大規模砂漠リゾート、魔界ドバイシティ。
その初日、巨大な門が開かれ、観光客が一気に押し寄せた。
■ 白銀のオアシス、涼風と光の大都市!
観光客たちは開口一番こう叫んだ。
観光客A
「涼しい!? ここ砂漠だよね!?」
観光客B
「水……生き返る……!
うめぇぇぇぇええ!!」
観光客C
「魔界三大オアシスに認定していいだろこれ!」
巨大なU字型ウォータースライダーは白銀に輝き、
“氷の宮殿”と呼ばれる建物は魔力冷気で常時マイナス5度。
さらに砂漠ならではの砂泳ぎレースや、
砂上を滑る砂サーフィンも開業初日から大人気!
子ども
「すっごーい!砂の上なのにスキーできる!」
大人
「転んだらめちゃくちゃ熱い!!(喜)」
■ 経済的にも大成功!
リーナの水売店は長蛇の列。
リーナ
「オ水トオアシス限定グッズイカガ?
本日ダケ大黒字デス!!」
ミラ(帳簿を高速計算しながら)
「開業初日で収支プラス……!これは歴史的快挙……!」
カーミラは冷風ダクトの影だけを歩き、
常に直射日光を避けている。
カーミラ
「……日向は無理だ。」
ヴァンは客の影を時々吸って涼しんでいる。
(スタッフから怒られた)
そしてランプーンは……
かつて魔神として君臨したランプーン。
いまやそのランプはバザールの屋台で展示販売されていた。
観光客
「このランプ、押すと喋るらしいぞ!」
ランプーン(叫ぶ)
「やめろおおお!! ワシの誇りがぁぁぁぁ!!!」
店主
「値下げしとくわ。」
リーナ
「売レ筋ランキング3位デス!!」
魔界ドバイシティの噴水広場に、
優雅な金色の絨毯が音もなく降り立った。
タクミたちが顔を上げると……
そこに立っていたのは――
砂漠の王族・アラジン。
全身を煌めく王装束で包み、
背後には十万の兵を従える砂漠国家の若き王。
アラジン
「ここが噂の“魔界ドバイシティ”か……
なるほど、見事に仕上げたな。」
ランプーン(ボロボロのランプモードで遠くから)
「ひ、ひぃ……!アラジン様……!」
アラジン
「今日は視察に来た。
そして魔人ランプーンよ。お前の都市も見いくぞ」
砂漠が揺れ、風が駆け抜ける。
タクミ
「アラジン様、リゾート勝負の判定を……?」
アラジンは静かに微笑んだ。
アラジン
「判定は次回だ。」
魔界ドバイシティの運命を左右する “砂漠王の審判” が始まろうとしていた。




