第5章 「迷宮攻略と水神の第一試練 ― 闇の税金バトル!」
タクミたちは、地下1000mへと続く“呪われた迷宮”の前に立っていた。
入口には巨大な文字でこう書かれている。
《この先、自己責任。文句は水神まで。》
タクミ
「最初から責任逃れしてる看板だなこれ!」
ヴァン(キラキラした目)
「RPGの迷宮…!ついに俺の中二病が火を噴くッ!」
カーミラ
「……めんどくさい。」
ミラ
「空間が変動しています。入るたび構造が変化するタイプの迷宮ですね」
リーナ
「オ宝 ドコ〜」
一歩踏み入れた瞬間——
迷宮がピコーンと光り、8bit音が鳴り響く。
《冒険者が迷宮に侵入しました。難易度:破産》
タクミ
「破産て!?」
ヴァン
「俺の財布がすでにダメージを受けている…ッ!」
第1フロア:水神の守護獣“徴税カバ”登場
ズシンッ……ズシンッ……
暗闇から巨大なカバが歩いてくる。
振り返るたびに、首から大量の領収書がぶら下がり、目は完全に税務署の職員のそれだった。
税務署カバ
「ウォォォ……名前、申告してくれるかなァ〜?」
タクミ
「税務調査が始まった!?ここ迷宮だよね?」
ミラ
「水神への通行税を払わなければ先には進めないようです」
リーナ
「払わず突破できない?(キラキラ)なら交渉の余地があるね!」
税務署カバ
「ほな、まず固定資産税と、砂漠使用料、熱中症リスク管理費、それと湖観光税な。全部で——」
タクミ
「やばい、言う前にもう桁が多い気配がするーー!」
税務署カバ
「一人あたり金貨 2000枚 や。」
全員
「高いなーーーーー!!!」
ヴァン
「金貨2000!?俺の中二病ですら震えてる!」
カーミラ
「……倒す?」(即答)
タクミ
「ダメダメ!倒したら申告書が倍になるオチだから!」
税務署カバ
「ちなみに、領収書は出るで。白紙やけど。」
ミラ
「それ領収書じゃないです!!」
タクミ、土下座交渉に挑む
タクミ
「す、すみません、僕ら魔王直轄の開発チームで……
水を高く売る気はなくてですね……デスデザートにリゾートを…」
税務署カバ
「魔王の命令?もっと税金上げやな!」
タクミ
「上がるの!?!?」
カーミラ
「……殺る?」(3回目)
ヴァン
「中二病的には、税金の敵は倒したい…ッ」
リーナ
「タクミ、早く!私そろそろ財布がドライフルーツになりそう!」
その時、迷宮奥から——
バシャァァァァン!!!
青い水しぶきが舞い上がる。
そして現れたのは——
水神様(見た目は紫パーマの大阪のおばちゃん)
水神
「ちょっとアンタらぁ〜〜、迷宮でギャーギャー言わんといて!
こっちは水道代の計算で忙しいねん!」
全員
「誰ッ!?」
水神
「誰って、水の神さまに決まってるやろ!
あ、水飲むか?一本50魔界コイン、ええわ。迷宮限定価格やで!」
タクミ
「良心的だ!」
ミラ
「この砂漠では破格です」
水神
「けど、キャップ開けた瞬間 2000魔界コイン な?」
タクミ
「ぼったくりだったーーーー!!!」
水神
「水は命の源やろ?命の値段言うたらこんなもんやで。
世の中、安さだけ求めたらアカン!品質が大事なんや!」
リーナ
「ボッタクリデモ売レルネ!!!」(目が完全に¥)
水神
「アンタ金儲けの匂いしかしないなぁ〜好きやでそういう子!」
カーミラ
「タクミ、この水神……面倒くさい。」
タクミ
「わかる!」
水神
「ほんなら第一試練いくで!
“闇の税金バトル”や!!」
タクミ
「出たーーー!! 税金バトル!」
水神
「ルールは簡単や。
アンタら、この砂漠の“水の値段を安くできる理由”を三つ説明し!」
タクミ
「開発会議!?!?」
水神
「説明できたら、通行税ゼロにしたる。
ただし失敗したら——」
税務署カバ
「追加で 金貨1万枚 やで♡」
全員
「高すぎるーーーーーー!!!」




