第3章 「 ダンジョン管理局との交渉と職人チーム招集」
タクミたちは、魔界1000階ダンジョンの補修・再開発のため、魔界管理局へと足を踏み入れた。
巨大な石造りの建物の中は、書類が天井まで積まれ、埃と魔力の臭いが充満している。
担当官は、肩にゴミ袋を乗せ、片手で扇子を扇ぎながら、ふわっと浮いていた。
担当官
「ハァ~イ★ 魔王様バンザ~イ♪ 今日はナニをお求めカナー? え、ダンジョン再開発? フーン……書類はこの山の中のどれかだヨ★」
机の上には山積みの書類、紙くず、謎の骨、そして半分燃えかけの契約書。タクミがその山を見て絶句。
タクミ
「これ、全部処理するのに何年かかるんですか……?」
担当官は得意げに、紙を一枚つまんでヒラヒラさせる。
担当官
「数百年カナー? あ、魔王様、もっとお急ぎ? じゃあ……まあ、その辺適当にどうぞ★」
ヴァンが剣を振り回して
「俺の血の剣で書類を斬り裂くか!」
と言いかけて、書類の山に突っ込んで身動き不能に。
カーミラは冷静に、一言。
「愚民……」
ミラは書類を解析してデータ化。
「この官僚の評価制度は、再開発の成功とリンクしていません。普通にやっても、あなたの利益は跳ねません」
タクミはニヤリと笑う。
「そうです。あなたが審査を早く通せば通すほど、このダンジョンは稼ぎます。つまり……あなたの評価も跳ね上がるんです」
担当官は一瞬キラリと目を光らせる。
「ホントカナー? 利益が俺に入るのカナー?」
リーナが小さく飛びながら、金色の羽を光らせて囁く。
「裏デ賄賂モアリダヨ★ ゴールド、プラチナ、魔法石……」
タクミがすかさず腕を伸ばして止める。
「やめろリーナ!合法的に儲けるのが我々のスタイルだ!」
リーナは舌を出して「チッ」と言う。
「仕方ナイナ~。デモ後デ私ノ金儲ケアイデアハ絶対採用サセルカラ!」
官僚は考え込む。
担当官
「フム……利益が俺に跳ね上がるなら、やってみるカナー……★」
タクミは小さくガッツポーズ。
「よし、これで魔界官僚も味方についた。あとは補修チームと現場作業を進めるだけだ!」
ヴァンは机の上の紙くずに剣を突き刺して
「中二病的快感……官僚も俺の前では屈するか!」
と叫ぶが、書類の山の下敷きになって悶絶。
カーミラは冷たく一言。
「……無限補修」
リーナは小さく飛び回りながら金の計算。
「ウフフ、儲ケルチャンスハ無限大……★」
こうして、タクミたちは魔界官僚の怠慢と無秩序を逆手に取り、ダンジョン再建への一歩を踏み出した。
タクミたちは、魔界1000階ダンジョンの補修を本格的に進めるため、伝説の魔界職人チームを招集することにした。
入口のラストシティーには、魔界名物の派手な看板が立ち並ぶ。
「魔界補修師ギルド」そこに、個性的すぎる職人たちが次々集まった。
召集された職人たちの一部
骨職人バンブル
「骨も資材も無駄にはしないぜぇ!」
実際には、ダンジョンの壁に散乱する人骨を拾って積み上げる。
ヴァンが怖がって剣を抜くが、骨を触った瞬間「うわああ!」と叫ぶ。
溶岩鍛冶師フラム
「マグマ温度はちょうどいいな!」
炎の中で作業するのが日常だが、服は完全に燃えかけ。カーミラが一言。
「無事か?」
幽霊階整備士スピリト
「幽霊? こいつら掃除すれば仲良くなるさ★」
だが幽霊は職人をからかい、箒を奪って天井を掃除させる。
地割れ埋め師クラッシャー
「穴は俺に任せろ!」
ハンマー片手に地割れを埋めるが、打つたびに新しい亀裂が出現する。
ゴブリン配管工ギズモ
「水道管? 知らない水は勝手に流すぜ★」
配管を直すたびにマグマ噴出口が逆流してカオス。
タクミ
「まずは1階から補修を始める。耐震性、観光安全性、魔族職員の労働環境……全部改善だ!」
ミラ
「現状、築3000年で耐震ゼロ、腐食率90%……優先順位は明確です」
リーナ
「儲カル要素ハ全部取リ込コム 温泉、溶岩バス、幽霊階ツアーモ追加!ウフフフ!」
ヴァン
「俺がこの血の剣で壊れた柱を守る……!」
しかし槌と剣の扱いがごっちゃになり、柱と自分が倒れるギャグ展開。
カーミラ
「……人手不足」
職人たちが動き出すと、ダンジョンはまさに混沌の現場。
バンブルが骨を組み上げて壁を補強
フラムがマグマを熱源に鉄骨を溶接
スピリトが幽霊を追い払い、掃除
クラッシャーが地割れを埋めるたびに亀裂が新設
ギズモは水道とマグマの配管をごちゃまぜに
観察するタクミは汗だく。
「これは……正直、観光客呼べるレベルまで持つか怪しい……」
リーナ
「心配ゴ無用! ボロデモアイデアで稼グヨ」
カーミラは柱に乗り、一言。
「……戦場」
ヴァン
「中二病的補修戦線、開始!」
と叫んでマグマのそばでジャンプ、全員が慌てて避難する。
こうして、魔界1000階ダンジョンの最凶職人チームが集結。
老朽化と崩落だらけのダンジョンを前に、タクミたちは「生き残りながら利益を出す」計画を開始したのであった。




