第2章 「廃墟ダンジョン視察 ― 老朽化の闇へ突入」
魔界へのゲートをくぐり、タクミたちはついに伝説の「魔界1000階ダンジョン」へ到着した。
タクミ
「……これが、1000階ダンジョンか……見た目からして……やばいな」
カーミラは無言で一歩前に進み、薄暗い廊下を睨む。鋼鉄の瞳が光る。
ヴァン
「……俺の中二病センサーが警告する……この闇、俺の血が騒ぐ……!」
と叫ぶや否や、天井から落ちてきた巨大な石が目の前でゴンッと地面に激突。
ヴァン
「ぐあっ、俺が受け止めるっ!」
必死で石を抱え込むが、押し潰されそうになってギャグ混じりの悲鳴を上げる。
リーナは小さな体をフワフワ飛ばしながら、金色の羽を光らせてニヤリ。
リーナ
「タクミ、ここ……腐ってても金になるゾ!幽霊階でお化けツアーやれば、入場料で大儲け!」
タクミは目を白黒させる。
タクミ
「いやいや、これ……観光客呼べるレベルじゃないだろ!」
階を進むごとに、ダンジョンの惨状は目を覆うばかりだ。
1階から100階まで
天井はところどころ崩れ、壁には巨大な亀裂が走る。かつての装飾や石柱は半壊し、床は落石で穴だらけ。タクミが踏み込むたび、石がガラガラと音を立てて崩れる。
幽霊階
暗く湿った空間に、勝手に開閉する古びた扉。幽霊のうめき声や謎の影が漂う。
リーナは興奮して
「お化ケツアー金ニナルヨ!」と提案するが、タクミは「冗談じゃない!」と目を剥く。
魔族職員たち
数百年前から働かされているという黒服の魔族たち。過労で意識もうろう、ホウキ片手に掃除を続けるが、足元は穴だらけ。つまずいて床に落ちる者もいる。彼らの悲鳴や咳が、廃墟の静寂に混ざって響く。
ミラが地図と構造図を広げ、データを確認しながら声を上げる。
「築3000年、耐震ゼロ、腐食90%……この建物、普通の人間なら5分で逃げ出すレベルです」
カーミラは淡々と一言。
「……これは、ゴミ。」
タクミはカーミラを振り返る。
「言ったね!? 観光都市にするんだぞ!? このボロボロでどうやって!?」
リーナは小さな拳を振り上げ、目を輝かせる。
「大丈夫!ココヲ金ノ山ニスル方法、私知ッテル!」
ヴァンは瓦礫を避けながら剣を振り、息巻く。
「俺のブラッディースパルタン、瓦礫すら貫く……!」
と、天井から落ちた小石で顔に軽くぶつかり、ギャグ的に倒れ込む。
リーナは小さな体でヒラヒラと飛び、金色の羽を光らせながらニヤリ。
「タクミ、職人呼ンダラ、儲ケプランスグ完成ダヨ。廃墟デモ金ニナル!危険? ソナイノ関係ナイ!」
タクミは呆れつつも思う。
「……これ、マジで観光都市になるのか?」
しかし、彼らのチームワークとリーナの金儲けセンス、ミラの冷静分析、カーミラの的確判断、ヴァンの中二病全開パワー。
タクミたちは、この絶望的ボロダンジョンを、観光都市へと変えるべく、最初の一歩を踏み出したのだった。




