第10章 「勝利の女神が、ほほ笑んだ朝 ― 妖精群島の帰結」
プーチン・オレルアンが敗北を認め、
傾いた“オレルアン妖精島リゾートホテル”は解体工事が始まった。
妖精島には静寂が戻る
だがその静けさは、嵐の後の「虚無」にも似ていた。
◇◇◇
数日後
大量キャンセルが発生したオレルアン側の観光客たちが、
一斉にタクミの“フェアリーホテル”へ押し寄せる。
混乱寸前の受付で、
タクミはゆっくりと深呼吸した。
タクミ
「……みんな、頼む。ここからが本当の勝負だ」
ヴァン
「闇の翼はすでに広げた……混沌の接客、我が務めよう」
(意味不明だがやる気だけはすごい)
カーミラ
「……働く(小声)」
ミラ
「任せてくださいタクミ様! 稼働率200%モードに入ります!」
そこに各ホテルから—
◆沿い旅館「椿山荘」の リーネ、グラン、ルナ
◆帝都ホテル「紅蓮亭」女将 カミーユ
◆地底湖ホテル「ルミナグロウ」 ミカとヴァルキュリア
彼らが一斉に動き出し、
到着した観光客に丁寧に説明し、誘導し、接客する。
お客様から怒号は消え、笑顔が戻り、
不安でいっぱいだった客たちがこう言い始めた。
「フェアリーホテルのスタッフすごい!」
「妖精の踊り、忘れられない思い出になったわ!」
「タクミさんのところに来て良かった!」
その光景を見つめながら、
タクミは遠くで解体される“オレルアンホテル”の姿に目を細める。
巨大資本があっても、
豪華施設があっても、
“信頼”がなければホテルは終わる。
タクミ
(破壊は一瞬……
でも積み重ねる信頼は“死闘”だ。
積み重ねた信用を失ったホテルは、消えるしかない」
夕陽の中、プーチン・オレルアンは振り返り、一言だけ残す。
プーチン
「タクミ……次は必ず、勝つ。必ずだ」
その背中は敗北しても折れていなかった。
フェアリーホテルは勝利した。
だがタクミの心には、すでに次の地図が広がっている。
ミラ
「タクミ様、次の不動産投資候補地が決まりました」
タクミ
「どこ?」
ミラ
「竜王半島です。」
ヴァン
「……竜の咆哮が響く地……闇の征服に相応しいな」
カーミラ
「……火山もある(怖い)」
リーナ(小さな妖精)
「タクミ、ワタシモ ツイテイク!」
ミラがタブレットに映す。
●景色は最高
●温泉湧出、金鉱あり
●最高のオーシャンビュー
ただし……
・竜が暴れすぎて更地
・地割れ日常
・火山活動で震度7が日常
・竜族の地主全員が“契約に異常にうるさい”
タクミ
「これ絶対、リゾート開発に向いてるのに……治安だけ悪すぎる!」
カーミラ
「……地獄(断言)」
しかし、タクミは笑った。
「だからこそ、やりがいがある。
さあ、竜王半島へ行くぞ。不動産投資チーム、出発だ!」
こうしてタクミの次なる新たな戦い
“竜王半島リゾート開発編”が幕を開ける。
✨第十六部 リゾートホテル戦争編 完✨




