第2章 「資材搬入 ― 巨大リゾートホテル建設開始」
朝日が島の白砂の浜を照らす。しかし、その光景は静寂の楽園ではなく、戦場の前触れだった。
黒々とした巨大クルーザーから、鉄骨・コンクリート・巨大クレーンが次々と降ろされる。トラックは砂浜をガタガタと走り、重機が地面を掘り返すたび、砂と土埃が舞い上がる。
浜辺にはオレルアン戦車が列を作り、兵士たちが防護服に身を包み、規律正しく動き回る。
タクミは崖の上から眼下を見下ろし、険しい顔をする。
タクミ
「……奴ら、本気で奪いに来てるな……」
ヴァンは黒いマントを翻し、鋭く言う。
「闇の影……ここに降り立つ……!」
カーミラは一言。
カーミラ
「うるさい」
ミラはメモ帳を広げ、兵士たちの配置をチェックする。
「戦車12台、兵士350名、クレーン7基……妖精たちは完全に包囲されてます」
浜辺では妖精たちが必死に抵抗する。花が揺れ、風に乗って小さな声が叫ぶ。
妖精たちは開発反対運動を始める。
「帰れー!」
「海を汚すなー!」
「私たちの島だー!」
だが兵士たちは容赦ない。
オレルアン兵士A
「花畑、クリア!」
「妖精撤退!」
オレルアン兵士B
「こちら、浜中央制圧完了!」
鉄の足音が浜に響き、兵士たちは素早く妖精たちを追い出す。花の精たちが飛び回り、川や木の影に逃げ込むが、兵士たちは無線で連携しながら追跡。
妖精王は必死に抗議する。
「タクミサン…ー!オレルアン…コワイデース!」
しかし、黒いオレルアン戦車が花畑の中に突入し、波と砂を蹴散らす。
その中、ひときわ小さな光が舞う。リーナ妖精の少女がタクミの肩に飛び乗る。
タクミ……わたしたち、負けない……!」
タクミは拳を握り、決意を固める。
「よし、現状把握だ。資材搬入のルート、兵士の動き、全て覚えてやる!」
浜辺には砂煙と鉄の匂いが充満し、花や小動物たちは必死に避難する。戦車の轟音、兵士の足音、クレーンの金属音……まるで戦場の交響曲だ。
ヴァン
「……この戦い、闇と光、どちらが勝つのか……」
カーミラは腕を組み、無言で光景を見下ろす。
ミラは冷静にデータを取る。
タクミの目には、未来の妖精群島を取り戻すための戦略が次々と浮かぶ。
そして、巨大リゾートホテル建設の全貌が、脳裏に焼き付けられた。




