第7章 「詐欺文化の核心へ ― 妖精たちの本音を聞く」
妖精たちがなぜ“詐欺文化”を持つのか、タクミたちは島の長老妖精に直撃取材。
長老妖精
「むかしむかし…ヒトニ全部ウバワレタノ…フフフ」
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◇妖精長老のむかしばなし◇
むかしむかし、妖精たちはとても純粋で心やさしい小さな生き物でした。
森で花の蜜を分け合い、川で魚を仲良くつかまえ、毎日を楽しんで暮らしていたのです。
ところが、ある日、人間がやってきました。
「わー、きれいな島! 全部もらっちゃおう!」
妖精たちは善意の心で何もかも分け与えた結果、家も土地も宝物も、すべて奪われてしまいました。
「うわーん! もう何も残ってないよ!」
妖精たちは泣きながらも考えました。
「これでは生きていけない…! そうだ、騙されない文化を身につけよう!」
こうして、最初は自衛のために小さなトリックや警戒心が育ち、
やがて、気付けば島全体が「詐欺で身を守る文化」を言語として話すようになったのです。
花が笑いかけるだけで借金が発生し、書類を見るだけで資産を奪われる――
そんな“契約詐欺の島”が、今日の妖精群島となったのでした。
めでたし…いや、めでたくないかもね? ウフフフ。
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カーミラ
「……聞くだけで腹立つわ」
ヴァン
「なるほどな。あの笑顔と契約書は、生き残り戦略ってわけか」
長老妖精
「ソウ…自衛ノ文化…キヅケバ、詐欺ハ島全体ノ言語ニ…ウフフフ」
タクミ
「なるほど…詐欺のない場所を作れば、平和に都市開発できるな」
ミラ(メモを取りながら)
「歴史が笑い話に聞こえますけど、実際は島のサバイバル戦略ですね」
タクミ
「よし…『詐欺特区』作戦だ!」
ヴァン
「……いや、もうこの島、俺たちの頭も詐欺耐性つけないと無理じゃね?」
カーミラ
「……やるなら私が監査する」
タクミ
「監査しても、最後にルーナが倍返ししてくるかもな…」
長老妖精はニヤリと笑う。
「フフフ、ワタシタチ、アナタタチ、応援スルヨ!」
タクミたちは、笑う妖精たちと、契約文化という地獄の歴史を背負った島に立ち向かう覚悟を決めたのだった。




