第6章 「妖精市場の大混乱 ― 金融は全員詐欺」
妖精群島の中心にある市場は、観光名所のように美しいが――
そこにあるルールは 「契約は詐欺」 が前提だった。
屋台の甘い香り、鮮やかな果物、煌びやかな宝飾品
だが一歩踏み入れれば、あらゆる行動が 契約のトラップ になる。
市場ルール(致死級)
銭を拾う → その硬貨の持ち主になる契約
タクミが落ちた1ゴールドを拾った瞬間、妖精が群がり、
「ご主人さま〜♡」と契約成立。
値札を見る → その値段で買う義務発生
ヴァンが高級メロンを見ただけで、財布から勝手にゴールドが消える。
握手 → 永久ローン契約締結
店主妖精と握手するだけで、タクミの未来の財産が契約書に吸い込まれる。
屋台のにおいをかぐ → におい使用料請求
甘い匂いを嗅いだ瞬間、請求書がタクミめがけて飛んでくる。
花や水に触れる → 花の精・井戸の精からの家賃請求
そこに現れたのは、妖精少女ルーナ。
小柄で無邪気だが、その片言日本語の笑顔は 資金詐欺の予告 そのものだ。
ルーナ
「タクミサン、ワタシにオカネ、アズケテクダサイ!
倍返シマス、フフフ!」
タクミ
「いやいやいや!絶対に信用できねえ!!
他人にお金預けても増えるわけないだろ!!」
ミラ(小声)
「……でも、この人、本気でやりそうです」
ヴァン
「どんな闇の金融術だよこれ…文明から完全に離れてる!」
カーミラ
「……そんなギャンブル、する気なし」
タクミは頭を抱え、妖精市場の通路を見渡す。
小銭、値札、握手、匂い、笑顔…… すべて罠だらけ だ。
タクミは深呼吸し、目を輝かせる。
「……まてよ、この島、逆に観光資源にできるな。
世界初、『詐欺観光都市』』を作ればいいんだ!」
ヴァン
「……え、観光!? このカオスを!?」
カーミラ
「……観光の定義、狂ってる」
ミラ
「でも、面白いかもしれませんね。記録媒体に残せば、世界初です」
市場には、妖精ルーナの片言詐欺に反応するタクミたちと、
契約トラップに巻き込まれる観光客たちの混沌が渦巻き、
新たな不動産の都市開発の幕が上がろうとしていた。




