第4章 「妖精少女ルーナ登場 ― かわいいけど詐欺師」
妖精群島の奥地。
花畑の光が揺れる中、ひとりの小さな妖精がふわっと現れた。
ルーナ
「コンニチハ、タクミサン♪
ワタシ、ルーナ。カワイイ妖精デス。
あなた、オカネ、ワタシにアズケマセンカ?
ゼッタイ、バイにシテカエシマスヨ♪」
タクミ
「言い方が完全に詐欺!!
“絶対倍に返す”って開口一番で言う奴は100%詐欺!!」
ミラ(冷静)
「※他人にお金を預けてもお金は増えません。むしろ無くなります」
ヴァン
「闇の誘惑…この島の詐欺は、可愛さすら武器にするのか…!」
カーミラ
「……倍にして返す、の時点でアウト」
ルーナはニコッと微笑む。
その瞬間、タクミが後ろ向きに3メートル飛んだ。
タクミ
「しまった!笑顔だけで資産没収の呪いが発動する島だった!!」
ルーナ
「タクミサン、シンパイスル必要ナイデス。
“カイケツシマショウ”
契約書、ミルダケ、ヨイデス」
タクミ
「“見るだけ”で契約が成立するんだよここは!!」
ミラ
「対策を思い出してください。
● 妖精の目を見ない
● 書類は黒塗り眼鏡で見る
● 微笑みには無表情
● 会話はすべて“持ち帰りで”」
タクミ(必死)
「そ…その件、持ち帰りで!!」
ルーナ
「アラ、ザンネン。
デモ、“アズケルキニナッタラ”、ルーナ、ここイルヨ♪」
タクミ
「絶対に預けねえ!!!」
ミラ(冷静に補足)
「※嘘つきほど“証拠があります”と言い出します。
※税金の話を曖昧にしたら詐欺確定です。
※質問と答えが一致しない人は大体嘘つきです」
ルーナ
「タクミサン、シンパイムヨウ。
“証拠ノデータ”タクサンアリマスヨ?(ニコッ)」
タクミ
「出た!!一番ヤバい“証拠あります詐欺”!!!
ミラ!もう帰ろう!!」
ミラ
「最高にワクワクしますね!」
タクミ
「どこにテンション上がる要素があった!?」
ワンポイント解説
■ ミラの 嘘つき研究講座
ミラ
「タクミ様、以下は詐欺師の対策です。必ず覚えておいてください」
☆ 嘘つきは証拠を出してくる。やたらと。異様に。
ルーナ
「ハイ、コレ、ワタシノ“誠実証明書”♡」
(※7枚ある)
タクミ
「多すぎるわ!! 誠実アピール多いほど嘘率上がるの知らんの!?」
☆ 嘘つきは自分の嘘を本物にするため“熱く語る”
ルーナ
「ワタシピュア♡ ココロキレイ♡ ワルイコトダメ♡
妖精ハ裏切ラナイ♡ 契約書ハ愛♡」
タクミ
「逆に怖いわ!!」
☆ 嘘つきは質問と答えが一致しない
タクミ
「この契約、“土地を貸す”って書いてるけど条件は?」
ルーナ
「ハイ♡ワタシ可愛イイ♡」
タクミ
「答えになってねぇ!」
☆ 税金の話を曖昧にしたら嘘つき確定
タクミ
「この島の固定資産税どうなってる?」
ルーナ
「ワー♡ 海キレイデスヨ〜♡」
タクミ
「逃げた!! いま完全に逃げた!!」




