第3章 「妖精王との初交渉 ― 片言日本語で詐欺ってくる」
妖精群島の中心、光る大樹の宮殿。
そこへ現れたのは、異様にキラキラして落ち着きのない妖精王。
なぜか片言の日本語を使う。
そして言葉の端々が、すでに詐欺の香り。
妖精王
「タクミサン、ヨウコソ妖精シマへ!
あなた、リゾート開発、オッケー。
お金、あなた出す。
ワタシ、土地カシダース。
ウィンウィンデース!」
タクミ
「ちょっと待て!!
その“ウィンウィン”は絶対どっちか死ぬやつだろ!!」
妖精王
「シンパイナイ。ワタシ、妖精キング。
誠意、100%(笑)」
※(笑)は発言に含まれている。
ヴァン
「キングが“(笑)”を口に出したぞ……!?」
カーミラ
「信用度が地の底」
妖精王
「サア、契約ショヲ、ミルダケ。
ミルダケ、タダヨ?
ミルダケ、ダイジョブヨ?(圧)」
ミラ
「“見るだけ無料”とか一番危険なやつですね」
タクミ
「いや見るだけなら……
(パラッ)」
次の瞬間。
タクミの顔が真っ青になる。
タクミ
「……は?」
ミラ
「どうしました?」
タクミ
「俺の土地の権利証が消えてる!!!
書類見ただけで権利が奪われるってどういう契約だよ!!」
妖精王
「アー、ソレ、妖精ルール。
“ミタ者、損スル”。
古イ文化ネ」
カーミラ
「文化の名を借りた犯罪」
ヴァン
「契約書をめくった瞬間、タクミが真っ青に……
これは“呪いの契約”だ!」
ミラ
「というか、この妖精島、法律が呪術」
タクミ
「ていうか契約書に“見た瞬間永久賃借権剥奪”とか書くなよ!!
そういうのはせめて紙の裏側とかに書けよ!!」
妖精王
「タクミサン、オカネ、アナタダス。
ワタシ、土地カシダス。
ウィンウィン。
サア、サインヲ……?」
タクミ
「絶対ウィンしてない!!どっちかっていうと失血死する側!!」
妖精王
「オマケニ、いま契約スルト――
あなたノ“将来ノ給料”も、ワタシ守ル。
オトク、オトクデース!」
カーミラ
「給料を守る(吸う)の間違い」
ヴァン
「闇すぎるだろこの島……」
タクミ
「ここで開発するの……本当に正気か俺……!」
タクミは契約書に妖精王の開発許可契約書にサインをした。




