第2章 「妖精法律の罠 ― 観光客が秒で破産する島」
タクミたちが妖精群島に到着。
波の音、砂の輝き、花の歌声。美しすぎる景色に目を奪われる。
しかし、その美しさの裏には――秒で破産する法律が存在した。
ミラによる妖精法律講座(即死レベル)
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書類を見る → 開いた瞬間に契約成立
「読む時間すら与えない文化。開いた瞬間、君の資産は妖精のものです」
指をさされる → 借金発生
「文化なので悪意はない。ただ指を向けられただけで、君は債務者です」
微笑みかけられる → 資産没収
「旅行者は笑顔に弱い。微笑み返すと住宅も土地も消えます」
花に触る → 花の精が家賃請求
「触った瞬間、契約成立。月額家賃は花びら1枚につき1ゴールド」
水を飲む → 井戸の精に水代100年分請求
「井戸の水は公共物じゃない。飲めば永久債務です」
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タクミは説明を聞きながら冷や汗が止まらない。
「この詐欺みたいな島……不動産開発できるのか?」
ヴァン
「この島…ビジネスのレベルが高すぎる……
詐欺という名の闇…深い……!」
カーミラ
「ただの犯罪文化」
ミラ
「不動産屋泣かせの妖精独自の文化です。
あと、私は契約書の紙質を舐めて確認する癖があります」
タクミ
「えっ!? 何その変態行為!?紙質チェックってそういう趣味なの!?」
ヴァン
「ミラ……お前、またヤバいこと言い出したな…」
ミラ
「契約の本質は舌で感じるものです。
紙の繊維の密度と魔法の印字圧力を解析するために必要です」
タクミ
「いやいやいや!解析とか言っても普通に変態だろそれ!!」
島全体は世界最大級の未開発リゾート地で、景色だけは完璧。
しかし不動産関係者の数が少ない理由が、ようやく理解できた。
ヴァン
「観光客が一歩踏み出しただけで破産するって……
この島、ヤバすぎだろ」
タクミ
「でも……ここは投資のチャンスかもしれない……
詐欺に負けないリゾートを作る。これこそ俺たちの仕事だ!」
カーミラ
「……地獄」
ミラ
「最高にワクワクしますね!」
タクミ
「いやお前……普通に恐怖しかないだろ! 最高にワクワクって何言ってんだ!」
タクミたちの来た妖精の島は詐欺契約満載の島だった。




