第8章 「魔界国際特区構想 ― ドロメアの共同開発案」
魔界と人間界の国境、地形的にも魔力的にも戦略価値が高い地域――
ここに、タクミは新たな都市開発を考えていた。
そこへ現れたのは、魔王ラスボッスデス直属の冷徹な代理人、ドロメア。
ドロメアは手元のホログラムを展開し、魔界と人間界をつなぐ国際工業特区の構想を説明する。
ドロメア
「タクミ殿、本企画は魔界の国民総生産を57%押し上げます。
人間界との貿易・資源交換も可能となり、両国の利益は計り知れません。
採択を推奨します」
タクミ「すごい…まさかここまで魔界が伸びるとは…」
ヴァン(手を振りかざしながら)
「人と魔の光と闇の融合、悪くない…!
国際特区に我らの戦略拠点を…置くのだ…ッ!」
カーミラ(無表情で腕組み)
「……面倒」
ボンミッチーは鼻で笑いながら、足元の薔薇を踏みつける。
「国際化? そんな庶民臭いもの、ボクには無理ですわねぇ。
魔界は貴族の天下であるべきで、庶民に媚びる必要はないのよ…
カーミラ嬢だって、ボクのリゾートの方が…!」
タクミ「いや、君はもういいよ…本当に…」
ドロメア「オイカワ財閥の妨害は予測済みです。対策も講じます」
政治戦・軍事強化
ドロメアはさらなる詳細を提示。
ドロメア
「魔界と人間界をつなぐ特区には、防衛機構も不可欠です。
タクミ殿の設計で、ドローンミサイル大量生産ラインを設置します。
勇者襲来時には自動迎撃可能です」
ヴァン
「ふふ…光と闇の機械仕掛け、完璧な防衛網…!」
タクミ
「これで魔界の都市計画と勇者対策が同時に進むのか…!」
ボンミッチー
「ぐぬぬ…軍事産業よりもカーミラ嬢の評価が…!」
カーミラ(一言)
「……余計なことは考えなくていい」
こうして、魔王家の意向とボンミッチー財閥のプライドが対立し、
魔界の開発は 国際特区建設 × 経済成長 × 軍事強化 という大規模プロジェクトへ。
タクミ
「うわ…政治も経済も軍事も全部やるのか…」
ドロメア(冷静に)
「タクミ殿、これが魔界の発展です」
ヴァン
「我らの力と知恵で、勇者を迎え撃つ…!」
ボンミッチー
「くっ…庶民化政策はボクが許さぬ…!」
カーミラ
「……面倒」
こうして魔界国際特区計画は、政治・経済・軍事の三重戦線が展開することとなった。
◇◇◇
魔界と人間界の国境に建設された、タクミの魔改造による国際特区。
防衛ドローン、AI結界、迷路都市、防衛砲台――すべてが魔界の最新鋭兵器として整備されている。
ドロメアは冷静にタクミに告げる。
「これで、勇者襲来時にも万全です」
ヴァンは興奮気味に腕を振りかざす。
「光と闇の融合…我らが防衛網の完成形…!」
カーミラは腕を組み、淡々と湯煙の向こうを見つめる。
「……面倒」
ボンミッチーは、薔薇を握りしめ悔しそうに唸る。
「くっ…庶民化、国際化、軍事化…全部許せぬ…!」
タクミは城壁に立ち、都市全体の防衛状況を確認する。
「ふぅ…これで勇者アレックスが来ても…どうにかなるはず…」
しかしその瞬間、人間界からの影が国境の森を駆け抜ける。
勇者アレックスが、仲間の戦士ブレイン、魔法使いエリオ、僧侶リリィと共に、
タクミが魔改造した要塞都市に迫る。
勇者の影、剣、魔法、僧侶の光
魔界都市の防衛線に影を落とすその瞬間で、画面は暗転。
タクミ
「つにに勇者が来たか……」(って僕はどの立場?)




