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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第十四部 魔界防塞都市構築編

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第7章 「魔界鬼怒川魔泉郷拡張と黒血吸血鬼リゾート計画」

魔界鬼怒川魔泉郷。

タクミが開拓して以来、一般魔族でにぎわう庶民派温泉街。


そこへ薔薇と香水の匂いを撒き散らして、

空から“ひらひら”とボンミッチーが舞い降りた。


ボンミッチー(薔薇を投げつけながら)

「タァァクミぃ~~?

ちょっとこれ見てくださらなぁい?」


タクミ「来たよ……面倒くさいのが」


ボンミッチーは巻物を取り出し、

でかでかとこう書かれていた。


《吸血鬼専用・黒血プレミアム温泉リゾート》

建設計画書(提出者:オイカワ・ボンミッチー)


タクミ「……は?」

ミラ「これは……バカの極み」

ヴァン「闇に堕ちた金の亡者め……」

カーミラ「……帰れ」


しかしボンミッチーは聞かない。


ボンミッチー(鼻で笑いながら)

「庶民向けの湯? そんなもの、魔界の品位が下がりますわ。

ボクはねぇ、もっと……

カーミラ嬢が思わず惚れ直すような、

“超絶ラグジュアリー温泉”を作ることにしたのぉ!」


タクミ「え、理由それだけ?」


ボンミッチー「もちろんッ!! それ以外に理由があると思ってぇ!?」


ミラが淡々と読み上げる。


ミラ

「ええと……『血の池を毎日入れ替え、血液は全部上級吸血鬼の提供』」


タクミ「やめろ」

ミラ

「『吸血を受けに来た下級魔族から“血の入湯料”を徴収』」


タクミ「もっとやめろ」


ヴァン「悪趣味の地獄じゃないか」


カーミラ「……気持ち悪い」


グラディウス

「へぇ、面白いじゃんボンミッチー。

その“血の入湯料”、ウチの吸血税と合体させようよ?」


タクミ「絶対にダメだ!!!」


ミラ「敵が増えるのやめてもらえます?」


庶民向け温泉巨大リニューアル


タクミ

「よし、こっちも勝負だ!

鬼怒川魔泉郷、庶民向けスペシャル拡張計画を発表する!」

・家族向け大浴場

・魔族向けサウナ(火属性でもOK)

・地獄ミスト岩盤浴

・子供用にウォータースライダー設置


ボンミッチー(絶叫)

「ちょっとおぉ!? ボクの血の池より綺麗じゃない!? なにそれずるい!!」


ヴァン

「光と闇のバランス…完璧だ…」


ミラ

「庶民はこっちに流れますね」


貴族 vs 庶民 温泉戦争勃発


ボンミッチーは最後の切り札を出す。


ボンミッチー(泣き叫ぶように)

「カーミラ嬢ぉぉ!!

ボクのリゾート、見てくださいませぇぇぇ!!

あなたが“素敵”と言ってくだされば勝ちなのよぉ!」


ボンミッチー(胸を張って誇らしげに)

「見よぉ〜〜っ! これぞ我が究極の傑作、

黒血プレミアム温泉!!」

・血の池が光を反射して真紅に輝く

・源泉は上級吸血鬼の血を毎日入れ替え

・蒸気は吸血鬼専用の紅霧スチーム

・湯に浸かると体の魔力が増幅され、

 まるで“貴族の力そのものを享受しているかの如く”なる


ボンミッチー

「タクミぃ! これを見て“わ、これは庶民じゃ真似できない!”と思わぬかぁ〜〜!?

カーミラ嬢もこれを見て惚れ直すはずなのよぉぉぉ!!」


タクミ「いや…見ただけで血の臭いが……危険すぎる…」


カーミラ「……普通の湯でいい」


ボンミッチー「ぎゃああああああ!! 尊い…! 尊すぎて泣ける!!」


ドロメアが静かにまとめる。

「ボンミッチー案は経済性ゼロですが、

観光資源としては一定の価値があります。

共存案を提示します」


タクミ

「つまり

庶民向け鬼怒川魔泉郷 + 貴族向け黒血リゾート、

両方残すんだね」


ボンミッチー

「……ボク、散財しただけじゃない……?」


カーミラ

「……帰れ」


ボンミッチー「その冷たさも……尊いッ!!」


タクミ「(この人ほんとにだめだ……)」


こうして鬼怒川魔界温泉は二つの顔を持ち、

魔族の観光都市としてさらに発展を遂げるのだった。


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