第4章 「吸血鬼同族会議 ― ヴァン vs グラディウス勃発」
魔界の吸血鬼領で財政会議。 そこで強欲吸血鬼グラディウスが登場。ヴァンの幼馴染で天敵。
「ヴァン、まだ中二病治ってないの?」
「治ってない!宿命だからなッ!」
「ダサい。中学生かよ!」
「なんだとこの キザ野郎が!!」
「お前みたいなガキが都市計画なんか口出しするな!」
グラディウスも血の鞭を振り回す。
「ガキじゃねぇ!闇の血を継ぐ者だ、そして俺の宿命だッ!」
ヴァンが跳ね上がり、グラディウスを空中で蹴り飛ばす。
「ふん、俺の吸血権を踏みにじるとはな!」
グラディウスも反撃。二人は互いの血の鞭で跳ね飛ばし、地面に叩きつける。
「これだから庶民の発想は嫌なのよねぇ!」
ボンミッチーが空中から妨害魔法。瓦礫が鞭の軌道を狂わせ、二人はさらに空中で回転しながらぶつかり合う。
ドロメアは冷静に結界を展開する。
「タクミ殿、周囲の魔力波を安定化させます」
光の結界が爆発範囲を制御するが、それでも広場は血と砂の嵐。
「ブラッディースパルタン!!」
ヴァンの一撃とグラディウスの一撃が激突。広場全体が轟音と閃光で震える。
砂煙と瓦礫の中、二人は跳ね飛ばされ、血の泥の海に叩きつけられる。
「貴様、まだまだ甘いな!」
グラディウスが怒鳴る。
「お前こそ闇を舐めすぎだッ!」
ヴァンが血の鞭を再び振り上げる。
しかしその時
「やめなさい」
巨大な影が広場を覆う。魔王ラスボッスデスだ。
足元から暗黒の波動が広がり、二人は空中で停止する。
「な、なんだ……?」
タクミも息を呑む。
魔王はゆっくりと拳を握る。
「……ぐぬぬっ…」
ヴァンとグラディウスが互いに血の鞭を構え、対抗しようとするが、魔王の圧倒的な力に跳ね飛ばされる。
ガキィィィンッ!
魔王のげんこつが二人を同時に打ち抜き、空中で回転させながら地面に叩きつける。
「うぐっ…!」
ヴァンとグラディウスは瓦礫の山に埋まり、動けなくなる。
ボンミッチーも踏ん張ろうとするが、魔王の威圧で後ずさり。
ドロメアは冷静に制御結界で瓦礫を固定する。
広場は血と瓦礫の海。吸血鬼二人はげんこつ一撃で大きく地面にめり込んで沈黙。
カーミラは一言、
「……終わり?」
タクミは恐怖と畏敬の混ざった声で震える。
「……す、すげぇ……魔王様……」
魔王の一撃だけで戦場全体を支配した。
魔界の街は壊れ、戦いは完全に終わった魔王の力に誰も逆らえない。




