第2章 「インフラ崩壊と魔界財閥の妨害 ― ボンミッチーの陰謀」
魔王から「魔界要塞都市化」の大任を任されたタクミは、
さっそく魔界インフラ総点検を開始した。
しかし
「……これは、ひどいなぁ」
崩れた橋。
曲がりまくった水道管。
爆発した温泉ボイラー。
謎の“泣いている電柱”。
そして地面から生えるなぜか巨大な歯。
ミラ「魔界って、どうして歯が生えるんですか?」
ヴァン「闇の名残だ」
カーミラ「……抜く?」
タクミ「抜かないで!?」
さらに最悪なことに
資材が届かない。
木材も、魔石も、鉄材も、全部供給が止まっている。
タクミ「おかしいな……注文した量の半分も来てない」
ミラ「はいこれ、魔界流通ギルドからの伝票です」
(バサッ)
『供給停止。理由:価格変動により利益が見込めないため』
タクミ「価格変動って……」
ミラ「誰かが……価格を釣り上げてますね」
タクミ「ええぇ……誰が??」
その名は、一人しかいない。
「私だけど?」
(背後からスッと出てくる影)
オイカワ・ボンミッチー、登場。しかも悪い顔で。
魔界最大財閥の御曹司は、扇子で口元を隠しながら微笑んだ。
「魔界再開発?素敵な話よねぇ。
でも、庶民向け温泉街を拡張するなんて無価値なの。
だから資材価格は倍にしておいたわ」
タクミ「なんでそんなことを……!」
ボンミッチー「簡単よ?
あなたの“成功”がムカつくから♡」
ヴァン「うむ。闇が腐っているな」
ボンミッチー「黙れ灰吸血鬼」
ヴァン「闇の貴種に灰を投げるな!」
タクミ「仲良くして!?」
そこに現れる“魔王家の代理人”ドロメア
空気が一変した。
冷ややかな風とともに、
黒いスーツ姿の女性が歩み出る。
魔王家直属・監督官 ドロメア
その瞳はボンミッチーに鋭く向けられていた。
「オイカワ財閥の妨害は把握済みです。
こちらで“処理”いたしましょうか?」
ボンミッチー「ちょっ……ちょっと!?
魔王家が出るほどの話じゃ――」
ドロメア「“命令”に逆らう企業は不要です」
(淡々)
タクミ「いや、待って!?
潰さなくていいから!
説得しようよ!」
カーミラ「……燃やす?」
(火のついた松明を持ってくる)
タクミ「やめて!? なんで松明持ってるの!?」
ミラ「カーミラさん、燃やす対象確認してくださ〜い!」
カーミラ「……全部」
タクミ「全部って何!?」
ドロメアは微笑み、タクミの肩に手を置く。
「タクミ様。
魔王より直接の任命を受けた開発総責任者です。
私も全力で支えます」
タクミ「心強い……けど怖い!!」
ボンミッチーは顔を青ざめさせた。
「ま、待って。
財閥だって魔王陛下の敵に回りたくないわよ!
……わかった、資材価格は戻す!
工事も協力する!するから!!」
タクミ「よかった……!」
カーミラ「……つまらない」
ヴァン「闇の決着を期待していたんだがな」
ミラ「平和に終わって良かったじゃないですか!」
ドロメア「では、次は魔界交通の大規模修繕に入ります」
タクミ「えっ……もう次!?」
こうして
魔界インフラ再整備の第一歩は踏み出された。
しかしボンミッチーの妨害は、
これで終わりではなかった……。




