表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第十三部 魔界鬼怒川温泉、再生プロジェクト編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/238

第2章 「バブルの亡霊たち ― 失敗の歴史」

休暇の途中、タクミたちは魔界鬼怒川温泉の廃墟街を歩き続けた。

廃墟のホテル群を抜け、老人から聞いた唯一生き残った


旅館「たましい屋」の木製看板が目に入る。


木漏れ日に照らされた建物は古びているが、かすかな湯気が煙突から立ち上り、まだ温泉の息吹を感じさせる。


タクミ

「……ここだけが生きているか」


カーミラ

「他は壊すしかない状態ね」


ヴァン

「……生き残りに意味がある。吸血鬼的には美味しそうだが」


ミラ

「法的資料も気になるところです。廃墟の理由を整理すれば、再生の道筋も見えるかもしれません」


旅館の奥座敷に案内され、組合の残党たちが昔の記録や写真を広げる。


組合長

「うちの温泉街も、バブルの崩壊で全てが狂った……団体客が消え、維持できずにホテルが次々倒れた」


鬼怒川衰退の歴史

① バブル経済崩壊で団体客激減

巨大ホテルが林立したが、バブル崩壊で団体旅行が消滅。

維持費を賄えず、倒産の連鎖が起こった。


タクミ

「バブル期の“団体客依存モデル”……崩れると脆いんだよね」


② 老朽化問題

築50年超のホテルが増え、耐震性不足や修繕費が経営を圧迫。

さらに所有者不明の物件も多く、解体や再開発は困難だった。


ミラ

「解体にも数億……さらに所有権が分かりません。これは……再生はかなり難しいです」


③ 大震災と風評

2011年の震災も観光業に大打撃。心理的なブレーキや風評被害で、投資も途絶えた。


ヴァン

「人の心は一度離れると戻らない……闇は深い」


④ 過当競争と魅力低下

バブル期の無計画な建設ラッシュにより、競争が激化。

リブランドに失敗した施設は顧客を奪われ、廃墟化。


カーミラ

「勝てない戦いは撤退……戦いの基本」


⑤ 廃墟による景観悪化

多数の廃墟が街の景観を破壊し、観光客が戻らない。

不動産投資のリスクとしても象徴的だ。


タクミ

「これが……“負の資産スパイラル”。

再開発ができないと金も客も戻ってこない」


“たましい屋”の湯気に触れながら、タクミは目を輝かせた。

他が倒れてもここだけが生きている。

不動産投資家の勘が告げる、再生の余地はここにある、と。


カーミラ

「ふん……戦いはこれからってことね」


ヴァン

「フッ……闇を光に変えるか」


ミラ

「タクミ様、調査と戦略の準備は整いました」


タクミは微笑む。

「さあ、廃墟から温泉街を取り戻す我々の戦いの始まりだ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ