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12/12全話完結【ランキング32位達成】累計3万3千PV『異世界不動産投資講座~脱・社畜28歳、レバレッジで人生を変える~』  作者: 虫松
第十一部 空の世界で投資物件編

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第8章 「空中区画の大交換市」

タクミとミラは、空層銀行で融資契約を勝ち取った翌日、

雲層都市最大の取引所《クラウドマーケット Exchange》に足を踏み入れた。


そこは地上の不動産市場とはまるで異なる“空の経済圏”だった。


巨大なドームの天井から雲が流れ込み、区画の模型が空中に浮かぶ。

魔力密度計、雲流動計、浮力安定度を示す光の柱……。


すべてがリアルタイムで変動し、

市場全体が「生きている」ようだった。


案内役のミラがタブレット型魔法具を操作する。


「タクミ様。ここで扱うのは“土地”ではありません。

 雲層区画は 魔力密度 × 高度 × 流体安定度 × 雲流動リスク で評価されます」


タクミは目を細め、空中に浮かぶ区画の魔導グラフを見る。


「雲流動リスク……つまり、風で動くってことか」


「はい。今日ここにある区画が、明日も同じ場所にあるとは限りません」


評価基準が一瞬で理解を裏切る。

地上の常識ではありえない。

だが、だからこそ投資価値も高い。


取引フロアでは、無数の投資家が魔法陣を展開していた。


「この区画、魔力密度は高いが雲流の向きが変わり始めている。

 高度が落ちれば価値は半分だ!」


「それは読みが浅い。今夜は《上昇気流日》だ。

 明日には高度が+3レベルは上がる!」


彼らは数字と魔力を同時に読み解く。

地上で言えば、瞬時に変動する株価を

魔法で直接書き換えるような世界だ。


タクミは感嘆しつつも、一歩も引かず市場を見渡した。


空層銀行 支店長のマモンの紹介状を見せると、

光を纏った青年が姿を現した。


「初めまして。アポロン家系列の投資オーナー、イスト・アポロンです」


黄金の髪がわずかに輝き、周囲の魔法陣が反応する。

彼は“太陽の加護を持つ投資家”と呼ばれる存在だった。


「あなたがタクミさんですね。

 マモン支店長から『地上出身だが、空の秩序を乱さぬ者』と聞いています」


「俺はただ、浮遊島の住民を守るために動いているだけだ」


イストは興味深そうに笑みを浮かべる。


「あなたの目的、悪くない。

 それなら、私の持つ《南雲層区画》をいくつか紹介しましょう」


商談が始まり、ミラが魔力計算を補佐する。


だが、その背後では

黒い旋風がそっと市場の天井をかすめていた。


「タクミ……また空の商圏に手を出すか」


高所の通路に立つスカイ=ハリケーンは、

クラウドマーケット全体を見下ろしていた。


彼の周囲に旋風が生まれ、薄い雷光が散る。


「地上人が空の区画を買い始めれば……

 空の権利体系そのものが変わる。

 それは《空族の寡占利益》を脅かす」


彼の目に宿るのは、単なる怒りではなかった。

空族エリート層の利権を守るという、歪んだ使命感。


「ならば……取引ごと吹き飛ばしてやろう」


彼は魔導式の風系プログラムを密かに起動した。


雲層都市の気流を操作し、

タクミたちが狙う区画の高度を“意図的に暴落”させる魔法だ。


《操作系魔法:流動デフレ陣》


高度評価が下がれば、区画価値は暴落。

タクミの購入計画は全て崩壊する。


「地上人よ……空の市場は甘くないことを思い知れ」


黒い旋風が取引所に忍び込みタクミの妨害工作へとのり出した。


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