第33話 食べる?
新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今年もゆるりと投稿していこうと思います。
香織は沙織の一言に焦った。まさか星奈が出てくるとは思わなかった。
――――今日は来ないって言ってたのに……!
そんなことを思いつつも星奈の父親はたまに思いつきの発言があるのを思い出し、多分そういうことだろうと察した。
「なんとか二人がエンカウントしないように連れ回そうかな」
「どうする?星奈に会う?会うなら場所を――――」
沙織が正宗に聞こうとするのを香織は遮った。
「今日は家族で来るんでしょ?それなら無理に引き止めないほうがいいんじゃないかな?星奈も家族で回りたいだろうし。ね、士道くん?」
「え?あー、まあ、そうかな?」
正宗は本音はすごく会いたかったが、香織の言うことも一理あると思った。
香織は正宗の答えにホッとした。
沙織は「ふーん」と一言。
「じゃあ花火上がるまで屋台巡りしよっかな。お二人はどうする?」
「私これ食べたら次ポテト食べたい!士道くんはかき氷だっけ?」
「そうだな。焼きそば食べたら次はかき氷買いに行こう」
正宗は香織が焼きそばを食べ終わったのを確認してゴミをまとめて捨てに行く。その間、沙織と香織は二人無言でスマホをいじっていた。
「ねえ香織、一応聞いとくんだけどさ、士道くん好きなの?」
「急にどうしたの?」
「いや、今日の香織すごい気合い入ってるし、最近士道くんと距離近いからどうなのかなって気になっただけ」
沙織はすんとした顔で答える。
「うーん……好き、なのかな?ちょっとまだ分からないんだ。ただ間違いなく『気になる男の子』ではあるんだよね。今までこんな気持ちになったことないんだ。多分、好きでいいんだろうけど。とりあえず今日どっかで士道くんに気持ち伝えて答え合わせしようかなって思ってる」
「そっか」
沙織の答えはあっさりしていた。香織は星奈絡みで牽制されると思っていたので拍子抜けた。
「そ、それだけ?」
思わず聞いてしまった。
「別に。香織が士道くん好きでも何とも思わないよ。それとも星奈の恋路を邪魔しないでって怒ったほうがいい?」
後者がくると思っていた。香織は友情が崩れる覚悟もしていたのでこれには驚いた。
「でも士道くんかー。香織もああいうのが好みだったんだね」
沙織はニヤッとする。
「う、うるさいし!」
そこで正宗が帰ってきたので会話は終了した。顔を真っ赤にした香織を見て正宗は「どした?」と首を傾げるのだった。
――――――――――――――――――――――――――――
香織はポテトを買い、食べながら歩いていた。
「あつ!んまー!沙織食べる?」
「ありがと」
沙織はポテトをつまむ。
物欲しげに見る正宗に気付いた香織はポテトを一本取り出し、正宗の口元に持ってきた。
「士道くんもどうぞ?」
「ど、どうも」
そう言って正宗はそれを食べた。沙織はギョッとし、香織は顔を真っ赤にして固まった。
「ん?」
「士道くん……あんた……」
「んん?」
「て、手渡しのつもりだったんだけど」
正宗は気付いて慌てる。これはあれだ、あーんになってしまったやつだ。事故だ。
「す、すまん……」
そんな様子を見て沙織は「バカップルかよ」と思ってしまった。そしてもう一つ。
――――これはかなり不味いんじゃないだろうか?
沙織は星奈を案ずる。
思った以上に二人は様になっている。なんというか、お似合いという言葉が合うかもしれない。香織は卓球部で正宗と話は合うし、性格というか、ノリも合っているように見える。
「このままだと取られちゃうぞ、星奈」
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