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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
1.初日0時~3時:赤空の亡霊
6/78

初日01:35:59/日向町役場/桜井十郎

「まずいことになっておる」


町役場の最上階から、町を見下ろして、自分の席に座ると、そう言った。


「儀式に邪魔が入ったと聞いた・・・」


目の前の男・・・佐藤清志は昔の愛用銃を点検しながら言った。


「組の者は一人残らずやられたようだな」

「ああ、そっちについては何も証拠が残っていない・・・」

「何も・・?」

「ああ・・一つもだ」


そういって佐藤を見据えた。


「十郎、儀式は終わっとらん・・・平元を捕らえ、儀式を完遂すれば終わること・・・頼めるか?」


佐藤に問う。


「もちろん・・ただ・・・」


目の前の男は小銃を肩に担ぎながら言う。


「平元のところに来た子が引っかかる」

「あの大人しい子か?」

「ああ、眼が一般人の其れとは違った」

「・・・気になるなら好きにするがいい」


私はそういって懐から取り出した煙草に火をつけた。


「ふむ・・・」


佐藤は部屋の扉に手をかけると、足を止めて此方に振り返った。


「ああ、忘れていた・・・」

「何をだ?」


そう尋ねると、扉にかけた手を素早く小銃にかけ、銃口を此方に向ける。


「何をするつもりだ?」

「お前で最後なんだよ」


佐藤は不気味な笑みを浮かべてつぶやくように言った。


「あの時の不始末・・・相棒の仇さ」


その声と、手に握られた小銃が発した閃光が、最期の光景になった。


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