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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
1.初日0時~3時:赤空の亡霊
5/78

初日01:20:55/日向大衆食堂「いこい」/前田千尋

「あの・・ありがとうございます・・」


向かい側の席に並んで座った二人の女性のうちの一人が言った。


「・・・大丈夫」


私は短くそういうと、席から立ち、入り口付近を見回す。

扉を開け、国道につながる道を眺める。


「国道までの道には奴らはいないみたい」


私は二人のところまで戻って言う。


「早いところこの町から出て助けを呼んだほうがいい・・・」

「なら・・あなたも一緒に・・・」

「それはできない」


私は食堂の厨房を漁りながら言った。

目ぼしいものを見つけて二人のところに戻る。


「私はちょっと人を探さなきゃいけないから・・・コレを持って早いところ逃げて」


私はテーブルの上に肉切り包丁と金槌を置く。

二人はそれを見てつばを飲み込んだ。


「正当防衛にはなる・・・気休め程度だけど、何もないよりはいい」


私はそういうと一人店の入り口まで歩いていく。

扉を開けて、もう一度周囲を見回す。

まだ異形の者はこの辺りまで来ていないようだった。


「早く・・・」

「はっはい・・」


私が言うと、二人は震えた手で武器を持ち、ゆっくりと歩いてきた。


「ここをまっすぐ行けば向日葵が咲いてるロータリーにたどり着く・・・そこからまっすぐ道なりに行けば国道に突き当たる」

「わかりました・・・」

「もし何か理由があって国道に行く道に行けないのなら、ここからまっすぐ行って右手にある丘の上を目指すといい」

「丘・・・?」

「そこには古ぼけた教会がある・・カギは内鍵だから、中に入って鍵かけとけば誰も入れない・・・少なくともしばらくは安全」


私はそこまで言うと二人とは反対の方向を向いてM1を構えなおす。


「幸運を」


私はつぶやくようにそう言うと、二人とは反対側の方に歩いて行った。


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