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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
2.初日3時~12時:異形の者の狂詩曲
11/78

初日04:03:44/教会/佐藤清志

目の前の異形は頭を破裂させて果てた。

もう同じ者で試すこと5回目・・・

何度も再生し、何度もこちらを見てはわめき散らす。


そろそろ放置して目当ての人物を探し出すことにしよう。


手に持った小銃を肩に担ぎ、教会の扉を開けた。


「霧が濃くなったな・・・・・」


ここに来た時と比べて、暗くなった赤い霧に顔をしかめるが、特に気にすることなく歩みを進める。

全ては”奴”の命と引き換えに終わることだからだ。


丘を降り、ロータリーを通り抜ける。


異形の者が一人視界に入った。


それを見るなり銃を構え、狙撃眼鏡の十字線にそれを映し出し、引き金を引く。


「この先は奴らが多いとな・・・」


ボルトを引き、空薬莢を排出し、つぶやいた。


そして、一歩を踏み出そうとした途端に、背後からの声に足を止め、銃口を向けながら振り返った。


「ひゃ!」

「何者だ?」

「・・・あっあの・・私たち、国道まで出たいんですけど、出れなくてそれで・・・それで」

「・・・」


そこまで聞いて、構えた銃を下す。

目の前の見かけない恰好をした女二人は銃口が下りるのを見て安堵の顔を浮かべた。


「そういうことか・・・今ここは外界とは隔絶された場所にある・・・」

「え・・・何て?」

「赤き空が晴れ渡らない限り、ここからは出られぬということだ」


そういうと、二人に踵を返し商店街裏の道から加工場に抜ける小道を歩き始めた。

余所者がどうなろうと知ったことではない。


「あっあの!」

「・・・・・・」


背後で何かを言った気がするが、特に振り返ることもなく、道を進んでいった。


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