表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
1.初日0時~3時:赤空の亡霊
10/78

初日02:55:01/平元家/前田千尋

数発弾を使うことになってしまったが、私はそれを気にすることなく私の家に駆けこんだ。

周囲にいた異形も振り切ってきたので、おそらく何も追いかけてはこないはずだ。


私は玄関のドアを閉めるなり鍵をかけ、少し荒れた息を整える。


「浩司!いるなら出てきて!」


私は人生でも3回目くらいの大声で従兄の名を呼ぶ。


「その声千尋か?」


2階のほうから聞きなれた、聞きたかった声がするのを聞くと、私は小走りで2階に上がっていった。


「浩司」

「千尋・・・」


廊下でようやく顔を合わせると、私は安堵感から壁に寄りかかってふーっと息を吐いた。


「その恰好は・・・?」

「ああ・・」


浩司も張り詰めた顔から、普段の表情になっていたが、私の姿を見ると首を傾げた。


「・・・私の部屋で話すよ」


私はそう言って自室の扉を開ける。

浩司も入れると、扉についた簡易的な鍵をかけた。


中に入るとM1を机の上に置きベッドの上に腰かける。


「とりあえず無事で良かった」

「そっちも・・・ただ加奈と善明は・・・もうダメだった」

「ええ、さっき図書館で会った・・・」

「撃ったのか?」

「・・・」


私は無言で首を縦に振ると、部屋は静寂に包まれた。


「そうか・・俺も殴っちまったからな・・」

「そうなの」


私はそういうと、重い腰を上げて、机のイスに座りなおす。


「そういえばさっきの続き・・・話そうか?」


独り言のように言うと、机の上のケースのロックを外した。


「・・・いいのか?さっきはあんなに渋ってたのによ」

「いい・・・」


私は仕切りのトレーを外すと、中にあった小さな拳銃を手に取った。

ワルサーPPK・・・予備マガジンも5つある。


「浩司、今は手ぶらだよね?」

「ああ・・」


私はそういう浩司にPPKを渡す。


「これは・・・」

「私の予備・・・ついでに、少し過去の話をしようか」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ