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第82話 メカドラゴンとの戦い②

 メカドラゴンはレールガンを撃ち尽くしたのか、後部ウエポンラックから砲身ごと切り離された。


 巨大な砲身は相当な重量があるのだろうか、切り離されたそれは地面に落ちるとズーンと大きな音を立てる。


『皆様、先程凍結したもう片方のレールガンが再起動をしました。すぐに砲撃が始まります』


 シルビーはハッキングにより次の攻撃を俺たちに教えてくれる。


「うん、とりあえず、あのレールガンを封じるよ、僕は飛べないからあそこまで運んでくれるかい?」


「はい! 魔王様、では、飛行魔法でお運びいたします。その……お体に触りますよ……きゃ」


「フリージア、それじゃ落ちちゃうよ、もっとしっかりと抱きしめてくれないと」


 魔王は両手で剣を構える。その腕に触れるフリージア。


 当たり前だが触れるだけでは魔王は空を飛べない。


「こう……ですか? 魔王様、その嬉し、いえ恥ずかしいです……」


 ……もたもたしている。


「むう、魔王殿、我としては早くしてほしいのだが。レールガンの防御も大変なんですぞ」


 先ほどからレールガンの防御を担当しているのはリッチ君だった。岩の壁を何重にも張り巡らしている。


 中には青白い光を放つ岩盤もある。そうか、ここはミスリル鉱山だったっけ。それが重なって複合装甲のような耐久性を持たせているのか。


 だが……まずい、破られる。俺はミスリルの純度を高めて壁を補強していく。エターナルな氷の壁と違ってすぐに展開できないのがネックだ。


 氷の壁なめてたな。それと同時にフリージアへの評価は上がった。


「……その、この格好は、その……私、そんなに大きくないですし……がっかりされないでしょうか」


 さっきから何言ってんだ? こっちはリッチ君とレールガンの防御で忙しいのに。


「おい、お前らいい加減に仕事しろ! それは家に帰ってからやればいいだろう」


 魔王とフリージアはもたもたしている。最終的に魔王の背中に羽交い絞めするような格好でフリージアが両手を魔王の脇の下から胸周りに、両足を腰に絡める。


「家に帰ってからって……っ!!。そうですわ。……さっ、魔王様、行きますわよ!」


 フリージアは飛翔魔法でメカドラゴンの頭上に飛び上がる。


 当然、敵はそれを迎撃しようと体制を変えようとするが。


「ふふふ、リッチ君、君の土の魔法は防御だけじゃないね? 一つ新しい魔法を考えた。協力してくれないか?」


「おお、勇者殿。ぜひともご教示願いたい。何をすれば」


 …………。


「おい、メカドラゴン、レールガンはお前だけの武器じゃない、俺もそれはカッコいいと思ってた。見せてやる、これが俺たちのレールガンだ!」


 ミスリル鉱石で作られた巨大な矢、どちらかといえば丸太に近い大きさの先端がとがったミスリルの円柱に、俺は勇者の魔法を使う。

 

 もともとミスリルは魔法耐性の高い金属であるが、勇者の魔法はそういう法則に縛られない。だから、加速させる。一応現実的な範囲で、マッハ一桁台を超えることはない程度に。


『マスター、魔王とフリージアがロックオンされています』


「よし、リッチ君、防壁解除、……そして、発射!」


 バァァァン!


 音速を遥かに超えたミスリルの塊を腹部に受けたメカドラゴンは大きく仰け反った。


「少年よ、今だ!」


「はい! フリージアいくよ! 僕たちの活躍を見せるときだ」


「はひ! はい、行きます」


 魔王を抱えたままフリージアはレールガンの砲身に近づく。


 魔王は剣を一振りすると、なんの抵抗もなく砲身は輪切りにされた。


 【クリエイトツール】とユーギが言ってた魔王の剣は世界を創り変えるための神々の道具の一つらしい。


 ノートに書いた落書を消しゴムで消すかのような、そういう用途の神の道具の一つに過ぎないが。世界にとってはまさに脅威そのものだ。


 俺もかつて魔王と戦ったときには苦労した。なんせ防御不可の武器はチートだろうと。まあ、今の少年が持つなら何も問題ない。それに当たらなければただの剣だ。


 ある意味でレールガンといった、長射程の武器の方が人類にとっては害悪だろう。


 しかし、改めて驚いた。あれだけの質量のレールガンをどてっぱらに放ったのに。そこは無傷だったのだ。


 メカドラゴンの装甲ってなんだ? これはちょっと俺でも手に余るのでは。もちろん後先考えない魔法なら突破口はあるが、既存の魔法ではほぼ無理なんじゃ……。

 まあ、魔王の剣にご期待下さいってことか。


「フリージア、ついでにあの指も全部切り落とすよ」


「はひ! 魔王様、あまり身体を動かされると色々とこすれて、私、あっ!――」


 メカドラゴン、二人のやり取りにイラついたのか、指バルカン。いや、何だっけ30mm十指連装機関砲を一斉発射した。


 だが、だいぶ慣れたのか二人の動きはいい。一発もくらうことなくすべての指を切り落とした。


「おお! お見事だ。さすがは魔王だ。その剣と相まって最強に見えるな」


「そんな、最強だなんて、フリージアのおかげですよ、ね? あれ、フリージアどうしたんですか?」


「いえ、その、お恥ずかしいです。腰が抜けてしまいました」


 フリージアはへなへなとその場に座り込んでいた。


 あーね、魔王の背中が余程よかったんだろう。そうだな、俺はいいことをした。


 さて、メカドラゴンの武装はこれで全て破壊したはずだ。


 リッチ君が今、影の魔法で核ミサイルが収納されたミサイルポッドを外したのを確認し、安堵したのだった。リッチ君の影の魔法、とても興味がある。


 今度教えてもらおうか、彼の顔にも少し慣れてきた。案外、骸骨フェイスにもいろんな表情があるのだと最近読み取れるようになったのだ。

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