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第42話 二年生になった

「アールの姉のデュラハンです、よろしくです。病弱ですが一生懸命がんばります」


 デュラハン、メイドロボット試作二号機、ちなみに俺の身体は三号機であるので姉というわけだ。


 年齢は一つ上で18歳の設定。病弱という属性を付加することで、同じ学年で俺がサポートすることにしている。


 魔力枯渇で倒れる可能性があるからだ、彼女には魔力コアである【太陽の魔石】を搭載していないので一日動けるかどうかという魔力容量になっている、スマホみたいな感じだな。


 いろいろ根回しをしたので編入は簡単だった。シルビアさんの実家に感謝だ、公爵家は伊達じゃない。


 しかし、まさか、ほんとうに学院に入学したいと言うとは思わなかった。


 しかもキャラがかなり迷走している。


 ミニスカでへそ出しJKファッションなのに病弱設定はないだろう。


 ちなみに巨大なぬいぐるみを抱いている。


 いや、これは多めに見よう。これは試作一号機のディーだ。


 彼だけ仲間外れは可哀そうだという配慮もある。


 しかし、見た目が寸胴の二頭身でロボ感丸だしなので、ぬいぐるみ設定にしている。


 人型ではない代わりにかなりの魔力容量があるため。二号機のモバイルバッテリーとしての役割が大きいだろう。



「デュラハンさん、その巨大なぬいぐるみは学院に持ってくるのはどうかと思います」


 服装に関しては、ギリギリオーケーだった。日本ほど厳しくないのが救いだが、さすがに巨大なぬいぐるみはNGだった。


「だめ、ディーお兄ちゃんがいないと私倒れちゃうから」


 嘘はついていない。その通りなんだが、メンヘラなのかギャルなのか統一しろよ。俺は心の中でひやひや思いながら先生とのやり取りを見守る。


「お兄ちゃん? あのねぇ、あなたはアールさんのお姉さんなんでしょ? 学院にはそれにふさわしい――」


 まずい、助け船を出さないと爆発する。物理的に……。デュラハンは放熱機能に難があり、負荷がかかると爆発するのだ。

 そんなショッキングな映像をクラスのみんなに見せられない。


「先生、彼女の兄なんです。それがないと、彼女は気絶してしまうんです。その、先生なら察してくれると……」


 先生は、それを聞くと、はっとして気まずそうに返答した。


「そ、そうね、ごほん、配慮が足りませんでした。病気だったと聞いております。ごめんなさい、皆さんも、仲良くしてくださいね」



 よし、嘘はついていない。あとは勝手に察してくれただけだ。


(マスター……あれが私の姉ですか? キャラが立ち過ぎでちょっとイラっとくるのですが)


 安心しなさい、それでも君の姉だ、頭が爆発して以来、独自の思考パターンがあるのだ。


 それに今の彼女は省エネモードだからダウナーになってるだけだ、魔力の外部接続が有れば、シャキッとする。


 もっとも飛行機とか魔王城とか大型の魔力源でないと無理だがな。ディーの魔力出力を上げる方法も考えないといけないが。モバイルバッテリーには容量の問題もある。当面は我慢しないと。


 それには設備の問題で今のところ保留だ。ロボさんや君は自信を持て。


 メイドとしては残念な性能になってしまった可哀そうな子なのだ。君は完璧なメイドロボ三号機なのだよ。それに兄弟姉妹は仲良くだ。


 クラスメイトはさっそく、新しい仲間に興味津々である。


「アールさんそっくり、デュラハンさんはご実家で何されてたの?」


「私は妹にくらべて出来損ないだったから、お家で大人しくするように言われてたの、たまに、マスター、いいえお父様の実験のお手伝いとか……」


 おい、俺は最低な親みたいじゃないか、試作機だからしょうがないだろうが。……いやその通りかもしれないな。


 ロボットの人権を無視していたのでは。うーむ、これは難しい問題かもしれない。


「そのぬいぐるみ可愛い、なんてお名前かしら」


「お兄ちゃんのディーです。ほら。お兄ちゃんご挨拶して」


「コンニチワ、ボク、ディーエモン」


「しゃべったー、可愛い、ほら皆このぬいぐるみおしゃべりできるのよ」


「ウフフフ、ホントニ、キミハ、ノロマダナー」


 すっかりクラスに打ち解けたようだ。



 ちなみにデュラハンも女子寮に入るのだが、他人の部屋はマズいだろう。


 俺とシルビアさんの部屋に住んでもらうことにした。シルビアさんには悪いがそうせざるを得ない。


 納得してもらうしかないか。とはいっても、部屋では停止してもらうのでただの置物になる。


 最初はベッドに寝かしていたが、死体に見えるためシルビアさんと相談の結果、首を外した状態で机の上に置いておき身体はクローゼットにしまうことにした。、


 シルビアさんはデュラハンの首を外すとびっくり仰天したものだが、すっかり慣れた。たまに喋る頭が机の上にあるだけという当たり前な感じになった。


 インテリアと思えば人間なれるものだ。

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