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空戦竜騎士のソラ  作者: 白河 昌幸
第1章:序曲の終わり、終わりの始まり。
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第1章:序曲の終わり、終わりの始まり。

 この世界には魔力と呼ばれる不可思議な力があり、その魔力を使って世界に干渉し事象改変することを魔法、もしくは魔術と呼び紀元前から存在していたと思われる。

 人の持つ力は魔力による魔法や魔術だけでなく、人々を護り力を与える「守護竜」と呼ばれる竜達、その守護竜達と契約し力を借りている者を「竜契士」と呼んだ。

 そんな彼らが誕生したのは正確には不明だがおおよそ、西暦1013年とされその後、1900年代になると科学の発展による次世代武器と国際情勢の不安定化などが要因となり後継となる「竜騎士(ドラグナー)」が開発される。

 竜騎士は竜契士と同じように陸戦も可能しかし、最も重要な点が空戦も可能。という点。

 そして多くの国家は世界大戦へと突き進むきっかけになってしまった。


 そして人類は過ちを犯す。


 以下全て西暦表記。


 1912年、第一次世界大戦勃発、5年後の1917年に集結。世界人口はこの時約6億人。

 1939年、第二次世界大戦勃発、6年後の1945年に集結。


 主な敗戦国のドイツと日本は開戦前の人口の半数以下まで落ち込み更には戦後の魔物、魔竜からの自国防衛すらろくに出来ないでいた、それは戦勝国でさえも容易ではなかった(イタリアは早期降伏のため比較的少数)。

 その後の統計により、世界で3億人もの人々が亡くなっていた(この戦争で敗戦国、戦勝国共に政府が破綻し各都市で自治区が出来ることに)。


 1947年、人類は地上のほぼ全ての領土を失っていた。全ての国家は崩壊し残った数億の人々は指導者を失い希望を無くしたが、クレセント、のちに天守一族と呼ばれるようになる一族がその卓越した魔法能力、竜騎士としての実力を持って立ち上がり再び国を築き、絶望の底の人類最後の砦となる。


 1950年、人々のはその人類がいつか勝つと信じ戦い抜いていたが確実に生存圏は狭まるばかり、そんな中人々を護り力を与える守護竜達が空に島を創り出した。のちに「人類最後の希望」と呼ばれる「天空島(てんくうじま)」それが誕生したのだ。


 1997年、人類の生存圏はいくつかの地上都市を失った多くの竜騎士の士気の意味でも戦力の意味でも大きく減り、残った地上都市はこれだけである。


 旧アメリカ合衆国は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク、ワシントンの5つの都市。

 旧イギリス帝国は、ロンドン、マンチェスターのみ、しかしこの都市間はなんとか陸路で繋げており移動は比較的に楽である。

 旧ドイツ国は、ベルリン、ハンブルク(この都市間は陸路可能)の2都市。

 旧イタリア国はローマのみ。

 旧ロシア帝国は、モスクワ、レニングラード、ミンスクの3都市。

 旧中華民国は、北京、南京、台湾の3都市。

 旧日本国は東京のみ。


 この計17都市に天空島、合計約9800万人と既に1億人を切っており、今や天空島とすべての大陸との輸送さえもままならない状況であった。

「天空島について」


 位置は太平洋のどこかにあり、総面積は、約2,004 km²であり、全人口の半分を超えるとされる。高度は約4,000m上空にある、島の形は楕円形で東西に伸びている。

 島の地上は平坦で島の中心に天守一族が住まう王宮があり、その東西南北を街や平原が囲っている。

 北区は平原が広がって最北部に小さな丘と墓場が散在するのみである。

 東区は娯楽街と貴族たちの住宅街で空き地はなく、ある程度暗くなっても比較的人通りの多い地区だ。

 南区は天空学園があり、天空学園がある通りには学生向けや貴族向けの店が多いために、「表通り」又は「大通り」と呼ばれている。基本南区は治安は良い住宅街だが西区に近づいて行くと治安がだんだんと悪くなっていく。ウォルターとアリアの家があるのも南区である。

 西区は天空島切手の工業と商店街で朝から夕方までは人で溢れ活気があるが、夜になると大人でも近寄らないほど治安が悪くなり、天空島警備隊と衝突もよくある地区だが家賃は安く、スポーツ大会なども娯楽(庶民向け)の一環としてここでよく行われる。

 天空島は下から見ると岩石で凹凸が激しく、常に天空島周辺には防御結界が張られ、弱い魔物や魔竜は侵入不可ではあるが、二ヶ月に一度有るか無いか程度で巨大な魔物か魔竜が破って侵入してくる。

 天空島守備隊主導で討伐戦が行われる、その際学園の一部生徒のみが招集される。

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