86/86
ありがとうございました。
監査官室。
「どうだった?
海軍での仕事は?」
監査主任の志摩が聞いてきた。
「私がやってきたことって、監査官の職務からは逸脱してますよね?」
甲上も質問で返した。
「まあ、そうかもな」
「ですが、いい経験になりました」
「それで、桜木中将に関する報告は?」
「確かにふさわしくない言動は多々見られます。
ただ周りからの信頼は厚く、海軍にとって、そしてこの国とって必要な存在であると強く思います」
志摩との話のあと、甲上は桜木を探していた。
桜木は慰霊碑の前にいた。
「私の前から消えてって言いましたよね?」
桜木は冷たい口調だった。
「ありがとうございました」
甲上はそれだけが言いたかった。
「…こちらこそ」
桜木もそれだけで十分だった。
その後カイル国では伊竜が王の座を巡って反乱を起こし、伊竜が勝利した。
それからというもの、リアンとカイルは友好国となったのだった。




